ブラックホールに落ちるとき、事象の地平線に近づくほど人はスパゲッティのように引き伸ばされてしまう。
ブラックホールに落ちるとき、事象の地平線に近づくほど人はスパゲッティのように引き伸ばされてしまう。 / Credit: Leo Rodriguez and Shanshan Rodriguez, CC BY-ND
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ブラックホールの中に入って人間が調査をすることは可能なのか? (3/3)

2022.10.01 Saturday

2021.02.10 Wednesday

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その他の注意するべき問題

通常、超大質量ブラックホールはその周囲を非常に高熱を持った円盤によって囲まれています。

これはチリやガス、または吸い寄せられた恒星や惑星の残骸で、降着円盤と呼ばれています。

この高温の乱流は、人が超大質量ブラックホールへ近づくことを阻むことになるでしょう。

超大質量ブラックホールは超高熱の降着円盤に囲まれている。
超大質量ブラックホールは超高熱の降着円盤に囲まれている。 / Credit:NASA/JPL-Caltech

このため、安全に近づくなら、周囲に物質もガスも、星さえも、何もない領域にある超大質量ブラックホールを見つける必要があります。

ここまで条件が整ったら、人は生きたまま事象の地平線の中へ調査に行ける可能性があります。

しかし、事象の地平線の中へ一度突入してしまえば、もうその外側へ出ることはできなくなります。

たとえ何らかの重要な発見をしたとしても、その情報を外へ送信することはできないのです。

そのため、事象の地平線へ飛び込んだ誰かは、まだ誰も知らないブラックホールの真実を見つけるのかもかもしれませんが、それが外で暮らす人たちに届くことはありません。

それは宇宙からは永遠に失われてしまいます。

ブラックホールの事象の地平線の内側、それはおそらくどれだけ技術が進歩しても、人類には永遠に見ることのできない秘境なのです。

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