人類が初めて描いた「邪悪な力」と思われる不気味な古代彫刻が発見される

history_archeology 2018/04/27

Point
・100年以上前の偶像を再調査、新たに顔や人の表情が見つかる
・人類が初めて描いた「邪悪な力」である可能性が浮上
・ジグザク線は境界線や警告を意味、そこに悪霊的概念が生まれた源泉があると推測される

 

100年以上前に見つかっていた木製の彫刻を新たに解析した結果、それが以前考えられていたよりも古いものであり、邪悪な霊の顔を表した最古の遺物の1つである可能性が示されました。

Early art in the Urals: new research on the wooden sculpture from Shigir
https://www.cambridge.org/core/journals/antiquity/article/

4メートルもの長さをもつこの偶像。1894年にロシアのエカテリンブルグ近くの泥沼から引き上げられたのが最初で、現在は11,000年前のものであるといわれています。これはつまり、エジプトのピラミッドよりも2倍も古いということになります。

今回の研究では、この遺物の年代を再測定すると同時に、偶像のトップ部分に、顔といくつかの人のような表情ものを発見。また木製の本体にもそれらを発見しました。「これらは邪悪な霊や悪魔を表しているものではないか」と、研究者はみています。

彫刻の新たな年代がわかったことで、こういった種類の芸術の起源に対する歴史家の見方が変わる可能性があります。これは氷河期のより写実的なイメージとは明らかに異なっており、この11,000年昔に、世界のこの地域で後を継いだ、農耕社会というより、むしろ狩猟採集社会において生み出されたものかもしれません。

「狩猟採集社会は、複雑な儀式や考えの表現法を持っていたと結論付けなければならないでしょう」とドイツのゲッティンゲン大学考古学者、トマス・ターバーガーは語っています。

「儀式は農耕とともに始まったのではなく、狩猟採集社会でおこったのです」

 

偶像にはジグザグや波打った線が描かれており、これらは水や蛇、トカゲ、もしくは境界線を表しています。またジグザグ線は危険を告げるものでもあるとのこと。

偶像は儀式に使われたのかもしれないし、ある領域に人が入らないように警告をしていたかもしれません。そこに邪悪な霊を生み出した源泉があるのでは、と研究者たちは示唆しています。彫像には全部で7つの顔が見つかっています。そのうちいくつかは、木に沿って彫りめぐらされたアートワークで巧妙に隠されていたとのこと。

他の可能性としては、それらが北西太平洋のトーテムポールのようなもので、神を讃え、祖先を思い出すためにデザインされたのかもしれません。しかし、それを確認するのは難しいです。

よりありえることは、この種の芸術が、現在考えられているより古い時代に広範囲で発展した可能性です。

この偶像が神話と神に結び付けられる可能性は高いですが、完全に解き明かすのは難しいでしょう。しかしこれは、美術史と初期の人類学における研究の手助けとなる重要な発見です。

 

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via: Science Alert, dailymail / translated & text by SENPAI

 

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