反復運動によって自己強化される複合有機素材が開発される
反復運動によって自己強化される複合有機素材が開発される / Credit:Canva
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運動するほど強くなる「人工筋肉素材」が開発される ロボットもトレーニングする時代がきた?

2021.02.24 Wednesday
SCIENTISTS INVENT ARTIFICIAL MUSCLE THAT GETS STRONGER WITH EXERCISE https://futurism.com/the-byte/scientists-invent-artificial-muscle-stronger-exercise
Bio-inspired mechanically adaptive materials through vibration-induced crosslinking https://www.nature.com/articles/s41563-021-00932-5

ロボットも筋トレで強くなれるようです。

2月22日に『Nature Materials』に掲載された論文によれば、力学的な運動エネルギーが加わるにつれて、有機素材を強固にしていく技術が開発されたとのこと。

「使えば使うほど強くなっていく」という特性を人工筋肉に付与することができれば、将来のロボットは状況に応じた最適な筋力を獲得できるようになるでしょう。

しかし、いったいどんな原理で外部から与えられる力を、内部構造の強化に変換しているのでしょうか?

外部からの力を内部の強化に使用する

外部からの機械的な力を内部の科学的な分子結合力に変換する
外部からの機械的な力を内部の科学的な分子結合力に変換する / Credit:Nature Materials

近年の研究によって、電気刺激に反応して形状を変更する有機素材が次々に開発されています。

これら電気に反応する有機素材は、ロボットの稼働部品として使うことが可能であり、人工筋肉の基本材料として期待されています。

しかし、既存の人工筋肉は生物の筋肉と違って、環境に適応して筋力を高める「自己強化」ができません。

そこでシカゴ大学の研究者たちは、酸化亜鉛(ZnO)のナノ粒子をセルロースに混ぜ込んだ複合有機ゲルを作成しました。

この特殊なゲルは、外部から力学的な力が加わると酸化亜鉛粒子が周囲の有機分子と反応し、ゲル内部の分子結合(架橋)を増加させることができます。

研究者たちは、このゲルに対して振動を与えることで、弾性を66倍に増加させることに成功しました。

この結果は、人工的な有機素材も自然の筋肉のように、機械的な刺激で自己強化が可能であることを示します。

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