漂着物のフジツボから行方不明者を探す
漂着物のフジツボから行方不明者を探す / Credit:Depositphotos
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フジツボの分析で海の行方不明者を捜索できちゃう

2021.03.02 Tuesday

Could a common barnacle help find missing persons lost at sea? https://phys.org/news/2021-02-common-barnacle-persons-lost-sea.html
The ecology of Lepas-based biofouling communities on moored and drifting objects, with applications for marine forensic science https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00227-021-03822-1

嵐や事故が原因で飛行機が海に墜落したり、船が転覆・沈没したりすることがあります。

海の広大さと激しい天候ゆえ、正確な沈没現場が分からない場合も少なくありません。残念ながらすべての遺体を回収するのは難しいのです。

ところが最近、オーストラリア・海洋科学イノベーションセンター(CMSI)に所属するトーマス・メサリオ氏ら研究チームは、漂着物に付着したフジツボを分析して海底に沈んだ行方不明者を見つける方法を生み出しました。

詳細は、1月27日付けの科学誌『Marine Biology』に掲載されました。

漂着物に付着したフジツボを分析する

エボシガイ(フジツボの仲間)
エボシガイ(フジツボの仲間) / Credit:Franciscosp2 / Wikipedia

調査の対象となったのは、世界中の漂着物に付着している「エボシガイ(学名:Lepas anserifera)」です。

烏帽子(えぼし)とのような外見から日本では「エボシガイ」と命名されていますが、実際は貝ではなくフジツボに分類されます。

そしてこのフジツボはボートなどの浮遊物にしか付着しません。そのため生態はあまり研究されてきませんでした。

メサリオ氏によると、「一般的に、このフジツボには浜辺に流れ着いた後でしか出会えません。その時点で彼らは乾燥しているか死んでいます」とのこと。

そこで研究チームは漂着物に付着するフジツボや他の甲殻類を6か月にわたってモニタリングし、成長過程などのさまざまな要素を調査することにしました。

結果としてチームは、漂着物に付着したフジツボを分析することで、その漂着物がどのように海を漂ってきたか解明できるようになったのです。

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