温暖化が原因で「奇形ザメ」が増加中?
ヌレンさんによると、母ザメの胎内からは3匹の子どもが出てきて、2匹は正常、あとの1匹が奇妙な姿をしていました。
2つの丸い大きな目と口の位置から人面にも見えます。
しかし、画像を見たフロリダ大学の海洋生態学者、ギャビン・ネイラー氏は「目に見える2つの部位は、発生異常を起こした鼻の名残と見られ、別角度の画像を見てみると、側頭部にちゃんと目が確認されました。
サメの奇形は、先天的な遺伝子異常が原因でしょう」と説明します。

実は昨年10月にも、同じインドネシア沖で、1つ目(単眼症)の奇形ザメが見つかっていました。
専門家によると、こうした海洋生物の奇形は、海水温の上昇が要因の一つとなっているとのことです。
地球の海は、大気中の温室効果ガスを吸収する働きをしており、その傾向は年々加速しています。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は「今世紀末までに、海水温が1.4〜5.8°Cの間で上昇する可能性がある」と予測。
これを受け、専門家らは「奇形症の海洋生物は今後さらに増加するかもしれない」と懸念していました。
人面ザメの発見は、まさにその矢先のことです。

人面ザメは現在、発見者のヌレンさんが自宅に持ち帰り、お守りとして保存されています。
自宅にはサメを一目見ようと近隣住民が押し寄せており、ヌレンさんは一躍、時の人となっています。
買い取りを希望する声も多い中、ヌレンさんは「サメが私たち家族に幸運をもたらしてくれる気がする」と考え、すべてお断りしているそうです。
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