プラセボ効果による脳神経活動を記録
プラセボ効果による脳神経活動を記録 / Credit: Tor D. Wager
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プラセボ効果は本当に痛みに関する脳神経反応を軽減させる

2021.03.07 Sunday
New study gives the most detailed look yet at the neuroscience of placebo effects https://medicalxpress.com/news/2021-03-neuroscience-placebo-effects.html
Meta-analysis of neural systems underlying placebo analgesia from individual participant fMRI data https://www.nature.com/articles/s41467-021-21179-3

有効成分が含まれていない偽薬でも、本人の思い込みによって病気が改善することがあります。これはプラセボ効果と呼ばれています。

アメリカ・ダートマス大学心理脳科学科に所属するトア・ウェイジャー氏らによる新しい研究では、プラセボ効果による総合的な神経反応の結果を提出しました。

これによりプラセボ効果による鎮痛が、実際に脳の複数の領域で鎮痛作用を生み出していたと判明。

詳細は、3月2日付の科学誌『Nature Communications』に掲載されました。

プラセボ効果の脳神経反応を20の研究から分析する

思い込みで症状が改善する「プラセボ効果」
思い込みで症状が改善する「プラセボ効果」 / Credit:Depositphotos

プラセボ効果で症状が改善するのは事実ですが、その神経メカニズムを理解することは長年の課題でした。

もちろんそのための研究は以前からおこなわれてきましたが、どれも小規模な研究だったため、その結果が部分的なものなのか、大多数に対して定義づけられるものかはっきりしていなかったのです。

そこで研究チームは、20の神経画像研究(計603人が対象)からプラセボ効果に関するメタ分析(メタアナリシス)を行うことにしました。

メタ分析とは複数の研究結果を分析したものであり、医療において最も質の高い根拠とされます。

さて今回の研究の目的はプラセボ効果による鎮痛(プラセボ鎮痛)に関するの神経反応を明確にすることです。

研究チームはプラセボ鎮痛が、痛みを生じさせる「脳のプロセスを変えている」のか、または脳が痛みを作り出した後に、痛みに対する「捉え方を変えている」のか、そもそも人は「本当に痛みが軽減したと感じている」のか、調査したいと思ったのです。

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