個々が自発的に動く集合体「アクティブマター」
個々が自発的に動く集合体「アクティブマター」 / Credit:Depositphotos
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物理法則に従わない「新たな粒子」が発見される (3/3)

2021.08.27 Friday

2021.03.07 Sunday

前ページ物理法則を越えた「渦巻状」のアクティブマターを発見

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アクティブマター粒子は分子と異なる振る舞いをする

また今回の研究では、アクティブマターの粒子が分子とは異なった動きをすると判明しました。

通常、分子などの受動物質は複数の状態で共存できます。

例えばコップの水が蒸発するとき、一気にすべてが気体になるわけでありません。蒸発のプロセスは徐々にすすみ、そこには液体と気体という2つの状態が共存します。

(左)すべての粒子が気体のように振る舞う , (右)すべての粒子が液体のように振る舞う
(左)すべての粒子が気体のように振る舞う , (右)すべての粒子が液体のように振る舞う / Credit:Nikolai V. Brilliantov

対照的にアクティブマターでは、それぞれの粒子が異なった状態で共存しません。

液体のように密集するのであればすべての粒子が密集状態になり、気体のようにそれぞれが離れるのであれば、すべての粒子が離れた状態になるのです。

さて今回は、シミュレーションによる基礎的な研究がおこなわれたにすぎません。いずれ現実世界のアクティブマターを使って実験する必要があるでしょう。

今後研究チームは、情報処理能力がある粒子を用いて、さらに複雑なシミュレーションをおこなう予定です。

そのような粒子は現実世界の昆虫や動物により近いものとなり、群れを支配する物理法則を解き明かすのに役立つでしょう。

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