ボート目がけて決死のジャンプ!
シャチの群れに追われていたのは、南極周辺に分布するジェンツーペンギン。
ボートの間を縫うような逃走劇が繰り広げられ、観光客はなすすべもなく、時に悲鳴をあげながら手をこまねいているしかありません。
ペンギンは水面の上を飛び跳ねつつ、懸命に逃げ続けます。


しかし、ペンギンが活路を見出したのは、まさに水面に顔を出したこの一瞬間でした。
なんとボートの上に自分と似た二足の生き物がこちらを見ているではありませんか。
ペンギンはおそらく「シャチよりは安全だろう」と瞬時に判断したのでしょう。
進路を急転し、一直線にボート向かって泳ぎ始めます。
すぐ後ろには迫り来るシャチの群れ。ボートに狙いを定めてジャンプ!

しかし目測を誤ったか、ボートを超えるには高さが足りず、側壁に衝突して、海に跳ね返されます。
万事休す。
ペンギンは最後の力を振りしぼり、二度目の跳躍を行います。
またもや失敗かと思いきや、今度は観光客から救いの手が差し伸べられ、なんとかボートに乗ることに成功!
観光客らは安堵と歓喜の声を上げます。
その一部始終がこちらです。


ペンギンを見失ったシャチの群れは、すごすごとその場を後にしていきました。
動画を撮影した旅行ブロガーのマット・カルステンさん(40)と妻アンナさん(32)は「まるでナショナルジオグラフィックの一場面を見ているようでした。ペンギンもさぞ安心したことでしょう」と話しています。
当のペンギンはしばらくの間、クルージングを楽しんだ後、観光客に別れを告げ、海に帰っていったそうです。