「光」で脳の血流を測る新技術。脳卒中などの診断に革命か

technology 2018/05/01
CREDIT: SRINIVASAN LAB, UC DAVIS
Point
・光で脳の血流を測定する新技術が開発される
・“iDCS” と称されるこの方法は、従来の方法よりも安価で確実

 

カリフォルニア大学の生物医学エンジニアたちが、人間の脳の血流を測定する新技術を開発しました。脳卒中や、外傷性の脳の損傷診断に使用されることが期待され、従来の技術よりもローコストかつ確実な処理ができるといったメリットもあります。

光を曇った物体にあてると、光の粒子、すなわち光子が様々な方向に散らばります。新技術では、頭蓋骨の中でその原理が用いられています。レーザー光を頭にあてると、レーザー光の光子が頭蓋骨や脳を通過し、血液や組織によって散乱。そうして出口を探す光子が血流によって動きを変えることで、脳内のいたるところにある「血流測定器」として働くのです。

Credit: Pixabay

しかし、その光子のシグナルは非常に弱く、脳の奥に行くとさらに弱まります。そのため、この方法では多くの高性能な光子測定器が必要となります。光の量を上げてしまうと、患者の肌を痛める可能性があるからです。

このコスト面の問題を解決するために、エンジニアたちは別のアプローチをとりました。そこで彼らは「重なった光の波は、互いを強化するか打ち消し合う」といった性質に目をつけました。それはちょうど、湖の水面に浮かんだ2つの波が重なる現象と似ています。

そこではまず、レーザーの軌道が “sample” と “reference” の2つに分けられました。そしてまず “sample” のレーザーを患者の頭に通し、その後より強い “reference” のレーザーを “sample” のレーザーに結合させることにより、シグナルを強化することに成功しました。これにより、高価な光子測定器を何台も買う必要がなくなったのです。

“interferometric Diffusing Wave Spectroscopy(iDWS)”と名付けられたこの方法は、測定中に部屋の電気を消さなくてもいいといったメリットもあります。これを用いれば、屋外の眩しい太陽の下でも、血流を測定できることでしょう。

カリフォルニア大学デービス校は、現在この技術について仮特許を出願中です。

 

人間の思うままに操れる「サイボーグマウス」の技術がスゴイ…!

 

via: eurekalert / translated & text by なかしー

 

関連記事

紅茶も牛乳に戻っちゃう。 2種類の液体をレーザーで分離できる技術を発見

謎だった「回る卵が起き上がる現象」が解明されたので、実際にやってみた

ストレスフリー! 曲げ放題・伸ばし放題なバンドエイドが開発される

SHARE

TAG

technologyの関連記事

RELATED ARTICLE