南極の氷の下にある「化石化した森」を調査する
これまでの調査によって、南極の氷の下には、木や葉の化石がたくさん存在していると分かっています。
どうして極寒の地である南極に森林の形跡があるのでしょうか?
科学者たちによると、この森林は過去に存在していたゴンドワナ大陸の名残だと考えられています。

プレートテクトニクスによると、現在のアフリカ、南米、南極、インド、オーストラリアはもともと同じゴンドワナ大陸でした。
ところがゴンドワナ大陸は約2億年前から徐々に分裂し始め、最終的に現在のような状態になったとのこと。
つまり南極の氷の下には、当時の森林が化石となって保存されているのです。
そのためそれらの化石を調査するなら、当時の状況や気候を知ることができます。

また始新世と暁新世の境界(5500万年前)では突発的な地球温暖化が起きており、当時の状況を探ることは、将来の地球温暖化の考察に繋がります。
ところが南極の化石化した森は、1901年に南極探検隊が調査して以来、ほとんど研究されていませんでした。
そのためTosolini氏ら研究チームは新たに調査し、論文によって南極の古代森林の生態を解明しようとしたのです。