消えたダッカ・モスリンと復活させるための取り組み

18世紀後半、イギリスの東インド会社がダッカ・モスリンの貿易を支配するようになりました。
これにより職人たちには、より低価格で販売するよう圧力が加わります。
加えて、普通の綿が用いられた糸数が少ないモスリンが大量生産されるようになりました。
こうした流れに対応できなくなったダッカ・モスリン事業は完全に崩壊。
その後世代が変わり、ダッカ・モスリンの織り方は完全に忘れ去られてしまいます。
また、Phuti karpasと呼ばれていた植物が育てられることもなくなり、それらは名前の無い野生の草に戻ってしまいました。

ところが最近、サイフル・イスラム氏によってダッカ・モスリンを復活させるための企業「ベンガルモスリン」が設立されました。
チームはPhuti karpasに近い植物を見つけ、品種改良によってダッカ・モスリンの材料となるよう調整しています。
また当時の技術を復活させるために、現地の人々と協力しているとのこと。
未だにダッカ・モスリンを復活させるには至っていませんが、バングラデシュ政府の支援もあり、現在でもプロジェクトは前進し続けています。
もしかしたら将来、伝説のダッカ・モスリンがよみがえるかもしれませんね。