伝説的な布ダッカ・モスリン
伝説的な布ダッカ・モスリン / Credit:Bengal Muslin
humanities

2021.03.22 Monday

織り方を誰も知らない「最も価値のある布」ダッカ・モスリン (3/3)

ナゾロジーチャンネル動画公開中

「愛」はいつ生まれたのか?現代日本語のほとんどの概念は明治政府の大事業で誕生した

前ページダッカ・モスリンが伝説である理由

<

1

2

3

>

消えたダッカ・モスリンと復活させるための取り組み

失われた技術を復活させるために、現地の人々と協力する
失われた技術を復活させるために、現地の人々と協力する / Credit: Bengal Muslin

18世紀後半、イギリスの東インド会社がダッカ・モスリンの貿易を支配するようになりました。

これにより職人たちには、より低価格で販売するよう圧力が加わります。

加えて、普通の綿が用いられた糸数が少ないモスリンが大量生産されるようになりました。

こうした流れに対応できなくなったダッカ・モスリン事業は完全に崩壊。

その後世代が変わり、ダッカ・モスリンの織り方は完全に忘れ去られてしまいます。

また、Phuti karpasと呼ばれていた植物が育てられることもなくなり、それらは名前の無い野生の草に戻ってしまいました。

Phuti karpasと似ている植物を探す
Phuti karpasと似ている植物を探す / Credit: Bengal Muslin

ところが最近、サイフル・イスラム氏によってダッカ・モスリンを復活させるための企業「ベンガルモスリン」が設立されました。

チームはPhuti karpasに近い植物を見つけ、品種改良によってダッカ・モスリンの材料となるよう調整しています。

また当時の技術を復活させるために、現地の人々と協力しているとのこと。

未だにダッカ・モスリンを復活させるには至っていませんが、バングラデシュ政府の支援もあり、現在でもプロジェクトは前進し続けています。

もしかしたら将来、伝説のダッカ・モスリンがよみがえるかもしれませんね。

<

1

2

3

>

みなさんのおかげでナゾロジーの記事が「Googleニュース」で読めるようになりました!
Google ニュースを使えば、ナゾロジーの記事はもちろん国内外のニュースをまとめて見られて便利です。
ボタンからダウンロード後は、ぜひフォローよろしくおねがいします。
App Store からダウンロード Google Play で手に入れよう

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

人文学のニュースhumanities news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!