ビーツの縫合糸は変色して感染を知らせる
テイラー氏は傷口の感染を発見するために、皮膚のpH値変化を利用しました。
健康な人間の皮膚はもともと酸性でありpH5ですが、傷口が感染し化膿すると、pH9にまで上昇します。
そしてこのpH値の変化は電子機器を使わずに検知できます。
実際、多くの果物や野菜はpHレベルに応じて色が変わる「天然の測定器」として知られています。
そこでテイラー氏は赤紫色の根菜「ビーツ」を利用することにしました。
彼女によると、「真っ赤なビーツのジュースはpH9で濃い紫色に変化するため、感染した傷口に最適です」とのこと。
次にテイラー氏は10種類の縫合糸素材を用いてテストし、その中から染料を保持できる「綿とポリエステルの混紡糸」を選択しました。
完成した縫合糸は、感染症のようなpH環境で5分経過すると、赤色から濃い紫色に変化します。
そして3日後には、紫色から薄灰色に退色するとのこと。