爪だけじゃない、ツメバケイのユニークさ
翼の爪に注目されがちなツメバケイですが、ほかにもユニークな特性を持っています。
消化システムが牛っぽい
普通の草食性の鳥類は果物を食べますが、ツメバケイが食べるのは葉っぱです。
基本的に脊椎動物は植物の細胞壁を構成するセルロースを消化できませんが、牛などは胃に微生物を住まわせて発酵を行うことでセルロースを分解しています。
さらに、溶菌酵素のリゾチームを消化酵素として使い、発酵で増殖した微生物を分解して栄養を得ていると考えられています。
ツバメケイも同様の消化システムを持っているのだとか。
ただし、そのために消化管の一部分である嗉嚢(そのう)を大きく発達させたため、飛翔に必要な骨が小さくなりました。効率的な消化能力と飛行力がひきかえになったと言えるかもしれません。
体の臭さが身を助ける?
生存競争に負けて、ほかの生き物が食べないものを専門に食べる生き物というと、竹を食べるパンダや毒を持つユーカリを食べるコアラが思い浮かびます。いずれも動物園で人気の動物です。
ツメバケイも始祖鳥みたいな特徴から人気が出そうですが、動物園で見ませんね。ツメバケイは牛のふんみたいなニオイがするそうで、それが一因かもしれません。
ただ、生物が絶滅する原因は、キレイだから、美味しくて食べ尽くされたからというケースが多いです。人間から身を守るためには良かったのかもしれませんね。