長寿を誇る「ニシオンデンザメ」
長寿を誇る「ニシオンデンザメ」 / Credit: zmescience
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最も長寿な生き物はどれ?「不老不死」を手に入れてしまった生物とは (2/3)

2021.04.06 Tuesday

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2万年生きる「海綿動物」、不老不死を叶えた「ベニクラゲ」

ガラス海綿類(Hexactinellid)」と呼ばれる海綿動物の寿命は、1万年を軽く超えると言われます。

世界中の海で見られ、水深450〜900メートル付近に生息しています。

たいていコップのような形をしており、高さは10〜30センチほど。成長がきわめて遅いことで知られ、これは寿命の長い生き物に共通する特徴です。

正確な年齢の測定は難しいですが、これまでの最高記録として、推定2万3000歳の個体が見つかっています。

どれくらい生きられるかも研究中であり、中には「適切な環境下にあるかぎり不死身ではないか」と主張する専門家もいます。

ガラス海綿類の一種「カイロウドウケツ」
ガラス海綿類の一種「カイロウドウケツ」 / Credit: ja.wikipedia

その一方で、すでに不老不死を叶えてしまったとされるのがベニクラゲ(Turritopsis spp.)」です。

ベニクラゲは、若返りのシステムを手に入れており、環境条件が整っているかぎり、永遠に若返り続けることができます。

普通のクラゲは、成熟したオスとメスが交配し、子孫を残すと死んでしまいます。

残された受精卵は「プラヌラ」という幼生期間を経て、「ポリプ」という状態に変化。ポリプから木のように枝がいくつも生えて、そこから実がなり、その実がクラゲの子となるのです。

ところが、ベニクラゲはケガをしたり、環境が変化して生存に危機を覚えると、自らポリプの状態になることができます。

これは子どもでも大人でも可能であり、まったく同じ遺伝子で最初からリスタートできるのです。

ベニクラゲは天敵に食べられないかぎり無限に生きられますから、現時点では、地球一寿命の長い生物と言われます。

ベニクラゲ
ベニクラゲ / Credit: zmescience

ただ、ここまで挙げたのは、私たちとは繋がりが薄い無脊椎動物ばかりです。

では、ヒトと同じ脊椎動物の中で最も長生きなのは何でしょうか。

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