ほうれん草の葉から培養肉の足場を作る
ほうれん草の葉から培養肉の足場を作る / Credit:Depositphotos
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ほうれん草の葉脈から「人工牛肉」を作ることに成功 厚切り人工ステーキが作れる?

2021.04.02 Friday
Spinach leaf skeleton serves as eco-friendly scaffold for lab-grown meat https://newatlas.com/science/spinach-leaf-skeleton-scaffold-lab-grown-meat/
Decellularized spinach: An edible scaffold for laboratory-grown meat https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2212429221001115?via%3Dihub#fig2

近年、倫理的問題や人口増加に対応するため、さまざまな機関で人工肉の研究が進められています。

ただし本物の肉の香りや食感、味を生み出すのは容易ではありません。

そんな中、アメリカ・ボストン大学工学部に所属するグレン・ゴーデット氏ら研究チームは、ほうれん草の葉の骨格構造を利用して人工牛肉を培養することに成功しました。

この結果により、今後本物に近い分厚い人工牛肉ステーキが作られるかもしれません。

研究の詳細は、科学誌『Food Bioscience』に掲載されました。

培養肉には足場が必要

培養細胞を立体的な肉に成長させる
培養細胞を立体的な肉に成長させる / (左)Credit:Depositphotos , (右)Credit:Depositphotos

人工肉を作るには、動物から筋肉細胞を入手し、実験室で増殖させなければいけません。

「細胞を培養して増殖させる」こと自体は、現代の技術では比較的簡単に行われています。

ところが、ただ細胞を増殖させるだけでは、私たちの目的に沿わないことがほとんどです。

例えば、動物性タンパク質であってもその形状や食感はさまざまです。卵白のようにドロドロしたものもあれば、牛肉のように歯ごたえがあるものもあります。魚の刺身もまた違った食感でしょう。

さらに同じ牛肉でも部位によっては食感や味が異なっています。

私たちが望んでいる「人工肉」とは、歯ごたえのある立体的な肉の塊ではないでしょうか?ドロドロのミンチではなくステーキが食べたいのです。

スキャフォールドのイメージ。人工肉の塊に成長させるには足場が必要
スキャフォールドのイメージ。人工肉の塊に成長させるには足場が必要 / Credit:Depositphotos

そこで大切になってくるのが、「スキャフォールド(英訳:Scafold)」と呼ばれる細胞足場です。

スキャフォールドは細胞の接着・増殖を促しつつ、三次元構造を保持するために役立ちます。

建造物が足場にそって伸びていくように、スキャフォールドにそって人工肉が立体的に作られていくのです。

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