ほうれん草の葉から培養肉の足場を作る
ほうれん草の葉から培養肉の足場を作る / Credit:Depositphotos
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ほうれん草の葉脈から「人工牛肉」を作ることに成功 厚切り人工ステーキが作れる? (2/2)

2021.04.02 Friday

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ほうれん草の葉から「食用可能な足場」をつくる

実験的に人工肉を培養するだけであれば、プラスチックのスキャフォールドが使用できます。

しかし、これでは食肉にはなりません。

そこで科学者たちは、これまでに動物から採取したゼラチンスキャフォールドや、大豆タンパク質で作られたスキャフォールドを利用してきました。

そして最近、ゴーデット氏ら研究チームは、別の植物ベーススキャフォールドを提案しました。

ほうれん草の葉からスキャフォールドを作ったのです。

ほうれん草スキャフォールドを使った人工牛肉のプロセス
ほうれん草スキャフォールドを使った人工牛肉のプロセス / Credit:Glenn R.Gaudette

この新しい取り組みは、以前に行われた「ほうれん草のスキャフォールドによる人間の心臓細胞培養」の成功例に基づいているとのこと。

心臓細胞の培養が成功したのであれば、食用の牛肉ステーキにも適用できると考えたのでしょう。

実験では、ほうれん草の葉から植物細胞が取り除かれ、骨格構造(葉脈)だけを残します。

これをスキャフォールドとし、牛の細胞を定着させ培養することにしました。

その結果、ほうれん草スキャフォールドで牛細胞は14日間生存し、筋肉へと分化しました。

今回の成果は、人工肉の生産量の増加や環境コスト削減に役立つと考えられます。

研究チームは、今後、より分厚いステーキを作るために、ほうれん草スキャフォールドの上でより多くの細胞を成長させる予定です。

将来、ほうれん草を利用した分厚い人口牛肉ステーキが食べられるかもしれませんね。

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