錯視画像による視覚テスト
新しい研究では、うつ病患者における視覚情報処理の違いを調べるために2つの視覚テストが行なわれ、うつ病を経験した111人と健康な29人が参加しました。
視覚テストに利用されたのは、2種類の錯視画像です。
1つ目は、明るさ誘導画像です。
「明るさ誘導」とは、背景の明るさが中心画像の明るさ(知覚輝度)に影響を与える現象です。
図Aと図Bの明るさはまったく同じですが、背景の明るさが異なるため、それぞれが別の明るさだと錯覚します。
暗い背景は中心の明るさを増しますが、明るい背景は中心の明るさを低減させるのです。
2つ目は、コントラスト抑制画像です。
「コントラスト抑制」とは、背景が中心画像のコントラスト(明暗の差)に影響を与える現象です。
図Cと図Dにはそれぞれ暗いラインと明るいラインが交互に入っています。そしてこのコントラストは両方とも同じです。
しかし、図Cは背景ラインも同じ方向なので、中心部のコントラストが抑制されて見えます。
ちなみに背景コントラストは両方とも同じであり、単純にラインの方向が異なるだけです。
研究では、この2つの錯視テストにおける見え方の違いを調査しました。