双方向神経バイパスで指先の感覚を得る
神経バイパスは実現しましたが、フィードバックという課題が残っていました。
麻痺患者は脳から指示を出して物をつかむことができますが、麻痺により物をつかんでいる感覚がありません。

この課題に対処するため、現在、研究チームは「双方向神経バイパス」に取り組んでいます。
これは従来の神経バイパスに加え、指先に装着した薄膜センサーによって触覚を脳に送信するというもの。

ただし脳の感覚皮質のうち、指先を扱う領域は脳の溝部分にあります。フィードバックした信号で正確に刺激するのは難しいのです。
しかしこの問題も、研究参加者の脳を何度も刺激して反応を確かめることで、指先を扱う領域の特定に成功。
ブートン教授によると、これにより双方向神経デバイスはある程度機能しているとのこと。
今後もより繊細な動きを可能にするために研究が続けられます。
将来的には、靴ひもを結ぶことやキーボードでタイプすること、ピアノを弾くことも可能になるかもしれません。