強靭なスーツをまとう「カイコウオオソコエビ」
強靭なスーツをまとう「カイコウオオソコエビ」 / Credit: DAIJU AZUMA/WIKIMEDIA COMMONS
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地獄の深海1万mに生息し「アルミニウム装甲」をまとった小エビの秘密

2021.04.12 Monday

This shrimplike creature makes aluminum armor to survive the deep sea’s crushing pressure https://www.sciencemag.org/news/2019/04/shrimplike-creature-makes-aluminum-armor-survive-deep-sea-s-crushing-pressure
An aluminum shield enables the amphipod Hirondellea gigas to inhabit deep-sea environments https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0206710

深海1万メートル、そこは信じがたい水圧のためにほとんどの生物が近寄れない世界です。

そんな場所に「カイコウオオソコエビ(学名:Hirondellea gigas)」は住んでいます。

「ちっぽけな生き物がどうして深海の圧力に耐えられるのか?」、そう疑問に思う人は多いでしょう。

しかし、彼らは過酷な圧力にも耐えうる強靭なアーマードスーツを深海のただ中で作り出しているのです。

果たして、その方法とは?

本研究は、2019年4月4日付けで『PLOS ONE』に掲載されたものです。

神も恐れる「深海1万メートル」の世界

カイコウオオソコエビは、端脚類というグループの1種で、全長4.5cmほどで淡い白色の体をした小さな生物です。

彼らが生息するのは、北西太平洋にあるマリアナ海溝の最深部チャレンジャー海淵で、水深は約1万メートルに達します。

地球上で最も過酷な場所の一つであり、端脚類のほとんどは普通、水深4500mを越えると水圧に耐えきれず押しつぶされてしまいます。

さらに水圧だけでなく、低すぎる温度や高濃度の汚染物質により、端脚類の外骨格に含まれる炭酸カルシウムが水中に溶け出してしまうのです。

まさに、神も恐れるキケンな領域と言えるでしょう。

あまりの水圧の高さに潰れてしまう
あまりの水圧の高さに潰れてしまう / Credit: jp.depositphotos

ところが、カイコウオオソコエビは、この過酷な環境に耐えうるほど強靭なアーマードスーツを着用しています。

このスーツは、カルシウムでできた殻をアルミニウムで補強していますが、そもそも海水にアルミニウムはほとんど含まれません。

一体どこからアルミニウムを入手してきたのか、これが大きな謎となっていました。

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