表面に見える霜のようなパターンが「縫合線」
表面に見える霜のようなパターンが「縫合線」 / Credit: David Peterman
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アンモナイトの殻に隠された謎を解明、「浮力のコントロール」を高める方向に進化していた

2021.04.14 Wednesday

Ancient Ammonoids’ Complex Shell Designs May Have Aided Buoyancy Control https://scitechdaily.com/ancient-ammonoids-complex-shell-designs-may-have-aided-buoyancy-control/
Buoyancy control in ammonoid cephalopods refined by complex internal shell architecture https://www.nature.com/articles/s41598-021-87379-5

アンモナイトの貝殻に新たな機能が見つかったようです。

アンモナイトの殻表面には霜のようなパターン(縫合線)が見られ、その役割はこれまで「貝殻の強度に寄与している」と考えられてきました。

しかし、アメリカ・ユタ大学の最新研究によると、縫合線は貝殻が水を保持する量を増やし、浮力のコントロールに役立っていた可能性が高いとのこと。

研究は、4月13日付けで『Scientific Reports』に掲載されています。

新しい化石ほど「縫合線」は複雑化していた

アンモナイトの出現は恐竜よりも遥か前、約4億年前のシルル紀末までさかのぼります。

それから約3億5000万年の間、世界中の海を漂い、白亜紀末の隕石衝突(約6600万年前)により、恐竜たちとともに姿を消しました。

アンモナイトの貝殻は、内部が「隔壁(septum)」という仕切りによって複数の部屋に分かれています。

この隔壁と殻の接合する部分が「縫合線(suture)」です。

3Dプリントで作ったアンモナイトの模型、左上は本物
3Dプリントで作ったアンモナイトの模型、左上は本物 / Credit: David Peterman

約3億4千万年前の初期の化石を見てみると、縫合線はしごく単純で、曲線部もわずかしかありません。

それが時代の経過とともに複雑さを増していき、絶滅直前の頃には、霜のように入り組んだフラクタル状になっています。

進化の結果、縫合部が複雑化したのなら、何か生存に有利な理由があったはず。

専門家の多くは「隔壁の接合部を複雑化することで、殻の強度を高めたのではないか」と推測しており、現時点ではこれが有力な説となっています。

縫合線
縫合線 / Credit: ja.wikipedia

しかし今回、ユタ大学の研究チームは別の機能を提案しました。

それが「浮力のコントロール」です。

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