年老いた神経を「大食漢」から守れ。アンチエイジングに関する新しい研究

biology 2018/05/06
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Point
・年をとると、神経細胞にマクロファージがたくさん取り付くようになる
・年を取ったマウスのマクロファージを減らすと、筋力に若返りが見られた

 

年老いたマウスと人間の生検結果の研究から、免疫細胞が神経の変質を加速させることで、老人の弱体化や動きが悪くなる問題を引き起こしている可能性が指摘されました。

年老いたマウスにおいて、これらの免疫細胞の生存に必要なレセプターをブロックして排除すると、神経構造の改善や筋力の増加が見られるようです。

Saving aging nerves from ‘big eater’ immune cells
http://www.jneurosci.org/content/early/2018/04/30/JNEUROSCI.3030-17.2018

人々が長く生きるようになると、生活の質を上げるために老化による悪影響を小さくする必要が増してきます。加齢とともに起こる、脳や脊髄と身体中をつなぐ神経の機能不全は、手や足に痛みを引き起こす可能性もあります。

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ロドルフ・マルティニと共同研究者たちは、神経のミエリン鞘や軸索の年齢による損傷状態が、人とマウスの間で類似していることを発見しました。24ヶ月齢のマウスの大腿神経にとりついているマクロファージの数は、12ヶ月齢や18ヶ月齢のマウスに比べて3倍もありました。

マクロファージとは巨大な免疫細胞で、ギリシャ語で「大食漢」の意味です。サイトカイン受容体阻害剤(Plexxikon Inc.製造販売)で処理すると、マクロファージは細胞死を起こしますが、それによって神経にあるマクロファージの数は70%減少しました。その結果、年老いたマウスの後ろ足の掴む力が12ヶ月齢のマウスのレベルにまで復活していたのです。

 

以前、ガン細胞をピンポイントで攻撃できるナノロボットの記事を紹介しました。その技術で神経のまわりに取りつくマクロファージだけを攻撃できれば、簡単にアンチエイジング効果が得られる日が来るかもしれませんね。

 

「チョコレートは認知機能に良い」と初めて確定する。さらに記憶やストレス、免疫にも効果あり

 

via: EurekAlert! / translated & text by SENPAI

 

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