SARS-CoV-2の臭いを嗅ぎ分ける訓練中のラブラドールレトリバー。
SARS-CoV-2の臭いを嗅ぎ分ける訓練中のラブラドールレトリバー。 / Credit:Pat Nolan,The University of Pennsylvania
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犬は96%の精度で「新型コロナウイルス陽性患者の尿」を嗅ぎ分けることができる

2021.04.19 Monday

With impressive accuracy, dogs can sniff out coronavirus(The University of Pennsylvania) https://penntoday.upenn.edu/news/impressive-accuracy-dogs-can-sniff-out-coronavirus
Discrimination of SARS-CoV-2 infected patient samples by detection dogs: A proof of concept study https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0250158

多くの人がパンデミック以前の日常に戻ることを望んでいます。

しかし、もはやコンサートや旅行など、大勢の人が集まる場所に安心して出かけられるイメージはなかなか湧いてきません。

私たちが公衆衛生上の安全を確保するために、なにか打開策はないのでしょうか?

ペンシルベニア大学などの研究グループは、その可能性がイヌにあるかもしれないと言います。

4月14日に科学雑誌『PLOS ONE』で発表された新しい研究は、「SARS-CoV-2」を嗅ぎ分けるイヌを訓練し、なんと96%の精度で新型コロナ陽性患者のサンプルを検出できたと報告しています。

麻薬犬ならぬコロナ犬が、イベントの入り口で検疫を行う日が来るのでしょうか。

 

病気のニオイを嗅ぎ分けるイヌたち

実験でウィルスのニオイを嗅ぎ分けるイヌたち。
実験でウィルスのニオイを嗅ぎ分けるイヌたち。 / Credit:Pat Nolan,The University of Pennsylvania

イヌは人間にはまったくわからないニオイを嗅ぎ分ける能力を持っていて、現在では、がん患者を見つけるなど医療探知の研究も進んできています。

今回の研究を発表したペンシルベニア大学獣医学部のシンシア・オットー氏は、同大学のワーキング・ドッグ・センターで卵巣がんを見つけ出す医療探知犬の訓練に長年携わってきた研究者です。

彼女は、今回のパンデミックにおいて、この専門知識を活かして、新型コロナウイルスをイヌの能力によって検出できないか研究を行ってきました

以前の研究で、オットー氏は「Tシャツ研究」と名付けた調査において、新型コロナ陽性患者と陰性者、ワクチン接種者が一晩着用したTシャツからニオイの成分を取り出し、イヌが嗅ぎ分けるよう訓練を行っています。

今回は、その研究を発展させ、さらに数百以上のサンプルを集めて訓練を行いました

イヌが感染症のニオイを検出するというのは、それほど単純なことではありません。

この場合、イヌは男性と女性、大人と子供、異なる民族や地域の人々など、さまざまな人々の背景にあるニオイを理解しなければなりません。

このためには、より多くのサンプルを使った訓練が必要になるのです。

今回の研究では、ペンシルベニア大学ペレルマン医学部のイアン・フランク教授とフィラデルフィア小児病院のオードム・ジョン教授が、それぞれ成人と子供の新型コロナ陽性患者サンプルと、陰性患者サンプルを提供してくれました。

もちろんそのまま使ってはイヌが感染してしまうかもしれないので、これらサンプルは医学大学院のスーザン・ワイズ氏の強力のもと、ウイルスの不活性化処理が行われました。

こうしてイヌが嗅いでも安全なサンプルを使って訓練が行われました。

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