超白色塗料が太陽光を極限まで反射する理由
研究チームは、超白色塗料を開発するために100種類以上の材料を検討しました。
その後リストを10種類に絞り、それぞれ50種の配合をテストすることに。
最終的にチームは、以前使用した炭酸カルシウムではなく、「硫酸バリウム」が一番効果的だと結論付けました。
硫酸バリウムは高濃度の塗料であり、写真用紙や化粧品を白くするために使用されています。
もちろん、単に硫酸バリウムを材料として利用するだけでは、太陽光を極限まで反射させることはできません。
そこで重要になってくるのが、塗料に含まれる硫酸バリウムの粒子サイズです。
超白色塗料には、さまざまなサイズの硫酸バリウム粒子が含まれています。
各粒子がどれだけ光を散乱させるかは粒子サイズによって異なるため、粒子サイズの範囲が広ければ広いほど、より広範囲の太陽光スペクトルをカバーし、散乱させることが可能。
そして超白色塗料には、サイズの異なる粒子を高密度に含めたため、最高度の反射率を実現できました。
ちなみに完成した超白色塗料は、さらに粒子濃度を高めて反射率を上げることも可能です。
ただし濃度を上げ過ぎると塗料としての性能が低下して剥げやすくなるため、現状の配合がベストとのこと。
現在、超白色塗料の配合は特許出願中であり、今後ルアン氏は、反射特性を維持するために、ホコリや汚れが付かない方法を探します。