白黒写真の欠点とカラー復元の課題
ほとんどの人が、1863年に撮影されたエイブラハム・リンカーン大統領の白黒写真を見たことがあるでしょう。
当時リンカーン大統領が50代だったことを考えると、かなり老けて見えるのではないでしょうか?
しかしそれはしょうがないことです。
なぜなら、1907年以前の写真技術には限界がありました。カラースペクトルの青い部分に敏感であり、赤い部分には鈍感だったのです。
通常、光は人間の皮膚に当たると跳ね返りますが、赤スペクトルは表面を通過。これには内部から皮膚を照らし、シワなどを目立たなくする効果があります。
つまり当時の白黒写真では赤スペクトルがカットされてしまうため、人間が直接見るよりもシワが強調されてしまうのです。
もちろん、現在の技術であれば白黒写真をカラーにすることも可能です。
しかし既に強調されたシワはそのままであり、本当の姿とはかけ離れています。
最近、研究チームはAIを用いて、カラースペクトルの差を埋めることに成功。
私たちが過去にタイムトラベルし、偉人たちを現代のカメラで撮影したような写真を入手できるようになったのです。
比較画像で確認できるように、従来のカラー再現よりもかなり若々しく温かみのある存在になりました。