ダイエッター必見。 問答無用で食欲を抑える実験が行われる

science_technology 2017/12/08
Credit: Pixabay

飯テロ恐るるに足らず。

体が空腹を訴える生物学的なシステムが明らかになってきたようです。

世のダイエッターが喉から手が出るような、食欲を強制的に黙らせる方法が見つかるかもしれません。

Source: Nutritive, Post-ingestive Signals Are the Primary Regulators of AgRP Neuron Activity- Cell Report
http://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(17)31673-X

空腹感を調節する神経細胞AgRP

ペンシルバニア大学の研究者たちの新しい研究で、空腹時に活性化する神経細胞を抑える方法として、栄養を摂取することだけでなく、食べ物の匂いや姿、また3種のホルモンの摂取が有効であるということがわかりました。

脳の視床下部は空腹の感覚を調節しており、そこには、AgRP神経(アゴーチ関連タンパク質発現神経)として知られている神経細胞群があります。これらの神経は動物が空腹である時に強く活性化し、食事をすることで抑えられます。さらに過去の研究では、食べ物のちょっとした匂いや姿でも、速やかに抑えられることがあるということがわかっていました。

この神経細胞に活動電位が発生すると、この細胞はあなたに「食べ物を探しに行ったほうがいい。君は飢えている。」と伝えます。結局この研究の結論は、「栄養分がこの空腹警報システムの第一の調節要因である」ということなのですが、他の要因にも言及しています。

研究チームによると、ふだん消化時に出てくるホルモンを組み合わせてマウスに与えると、これらの神経細胞の活動が有意に抑えられるということがわかりました。つまり、過食や肥満の治療法としての可能性を持っているのです。

3つのホルモンが空腹を伝える神経細胞を抑える

Credit: amazon

新しい研究では、AgRP神経細胞の活性を減少させるのは、単純に食べ物を見ることや匂いをかぐことなのか、もしくは実際に食べ物を消費することのどちらなのかを調べました。

普段の餌を実験用マウスに見せた時は、予想通り、AgRP神経細胞の活性はすみやかに減少し、食事中、あるいは食事後にも低いレベルにとどまりました。

しかし、もしマウスが今まで見たことのない食べ物を見て、満足感を連想できない場合どうなるのでしょうか?

空腹の実験用マウスに、馴染みのない味と香りで、カロリーのないゲルを与えると、一時的にAgRP神経の活性を抑えられますが、200秒しか持ちません。さらに、これを繰り返すと、この一時的な効果もなくなりました。マウスが味と香りの特徴と、カロリーが含まれないことを関連付けるようになったからです。そして同じ動物に、同じ味と香りでカロリーの含まれるゲルを与えて学習させた直後には、ゲルを見せただけでもAgRP神経の活性が減少します。

逆に、先にカロリーを含むゲルを与えると、その後にカロリーの含まないゲルを与えても、一時的にAgRP神経の活性の減少が確認できました。しかし200秒後、胃が栄養を摂取できないことに「気付き」、この神経は再び発火するのです。

また研究者たちは、普段は食べ物の消化中に分泌される、コレシストキニン、ペプチドチロシンチロシン、そしてアミリンといったホルモンをマウスに与えました。これらは、AgRP神経細胞の活性を劇的で、量依存的な方法で減少させました。これらの3つのホルモンを低用量で組み合わせて使うと、強力な減少作用を相乗的に示しました。

「この組み合わせを使った方法は、人間の肥満治療に有効かもしれません。」とペンシルバニア大学助教授、J・ニコラス・べトレーは言及しています。

実はこれら3つのホルモンを個別に使った治療は人間に対しても成功していますが、その必要量を使うと吐き気を引き起こすことがあるようです。一方で、研究者がマウスに対して3つのホルモンを低用量で混ぜて使った場合は、病気の兆候は観察されておらず、それはおそらく一つ一つの用量を抑えた結果だと考えられています。

べトレー氏のチームはこれらのホルモンがAgRP神経活性をどのように抑えているのか、さらに探求したいと語っています。この研究は肥満の薬を用いた治療への有用な情報を提供するだけでなく、食べ物の総摂取量を減らす行動戦略にもつながることでしょう。

ダイエット中、夜の23時にラーメンをすすりたくなる人には、この研究はまさに希望の光となりそうです。

 

via: news.upenn.edu , Cell reports / text by nazology staff

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