大きい粒ほど上に集まる「ブラジルナッツ効果」とは?
大きい粒ほど上に集まる「ブラジルナッツ効果」とは? / Credit: jp.depositphotos
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大きい粒ほどビンの中で上昇する「ブラジルナッツ効果」の視覚化に初めて成功

2021.04.20 Tuesday

ミックスナッツの入った袋やビンを振ると、大きなナッツほど上に集まってきます。

これを「ブラジルナッツ効果」と呼びますが、イギリス・マンチェスター大学の研究チームはこのほど、ブラジルナッツ効果が起きる際の動きを3Dイメージで撮影することに初成功しました。

この成果は、医薬品や食品加工への応用が期待されています。

研究は、4月19日付けで『Scientific Reports』に掲載されました。

Scientists Crack “The Brazil-Nut” Puzzle – How the Largest Nuts Rise to the Top https://scitechdaily.com/scientists-crack-the-brazil-nut-puzzle-how-the-largest-nuts-rise-to-the-top/
Size segregation of irregular granular materials captured by time-resolved 3D imaging https://www.nature.com/articles/s41598-021-87280-1

大きい粒ほど上昇する「ブラジルナッツ効果」とは?

「大きさの違う粒の集まりを上下に振ると、最も大きな粒が表面に浮き上がってくる」

これがブラジルナッツ効果です(ナッツの中で一番大きいのがブラジルナッツであることから)。

直感的には、大きいものほど下に落ちていきそうなのになぜでしょうか?

主な原因は「粒の対流」にあります。

例えば、ミックスナッツのビンを上下に振ると、当然ながらナッツは浮き上がります。

しかし、外側のナッツはビンとの摩擦により浮き上がりにくく、反対に内側のナッツほど上昇していきます。

内側ばかりが上がるとその下に隙間ができ、そのスペースにビン側のナッツが入り込んできます。

こうして内側のナッツが上昇し、ビン側のナッツが下降する対流ができるのです。

ブラジルナッツ
ブラジルナッツ / Credit: jp.depositphotos

ところが、ビン側のスペースはすごく狭いので、大きなナッツほど下向きの流れに乗れません。

小さいナッツは狭い隙間を縫うように落ちていきますが、大きなナッツは上昇するナッツにぶつかりやすいので、むしろ上向きの流れに乗りやすくなるのです。

こうして大きなナッツほど表面に上がってきます。

その一方で、内側のナッツは隠れて見えないので、実際にどのような動きをしているのか分かっていませんでした。

今回の研究は、それを初めて撮影したものとなります。

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