紫(パープル)は存在しない色だった!?
実は、紫には2種類の表現用語があります
大抵の場合、それぞれを区別するために、片方を紫色またはパープル(英訳:purple)、もう片方をすみれ色またはヴァイオレット(英訳:violet)と呼びます。

ちなみに赤みがかった紫がパープルであり、青みがかった紫がヴァイオレットと区別されることが多いです。
この2つの紫は似ているようで、メカニズムが全く異なっています。
まずヴァイオレットについて考えてみましょう。
ヴァイオレットは赤や青、緑と同じように単一の波長をもっています。
可視光スペクトルで表現すると、画像の左端の紫がヴァイオレットであり、青や赤などもそれぞれの波長に対応しています。

ですからヴァイオレットは他の色と同じように、特定の波長だけを反射する物体によって、そのまま認識できます。
この可視光スペクトルを見ると、一般的に混ぜて作られるオレンジや緑といった色が、それぞれ原色の中間に位置していると分かります。
赤と黄の中間がオレンジであり、青と黄の中間が緑ですね。
では、赤と青の中間は紫になりますか?
可視光スペクトルを見ても中間位置には紫が存在しません。ヴァイオレットが左端にあるだけです。
同じ紫でも赤と青を混ぜた色である「パープル」は、この可視光スペクトルの中に存在しないのです。
それゆえ、パープルは「非スペクトル色」と呼ばれています。
では私たちは単体の波長をもたないパープルをどのように知覚しているのでしょうか?次項で解説します。