奇妙な逸話を持つミイラ10選
奇妙な逸話を持つミイラ10選 / Credit: jp.depositphotos
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棺の中身は「現代人」? 奇妙な裏ストーリーを持つミイラ10選

2021.06.12 Saturday

Top 10 Mummies With Strange Untold Stories https://listverse.com/2021/05/16/top-10-mummies-with-strange-untold-stories/

「死人に口なし」とよく言いますが、ミイラはその生前の様子から死ぬ間際まで、多くを語ってくれます。

これまで世界各地で無数のミイラが発掘されてきました。

その遺体は大人から子ども、動物から昆虫まで多岐にわたり、それぞれに唯一無二のストーリーが隠されています。

そこで今回は、近年の研究で明らかになった「奇妙な裏ストーリーを持つミイラ10選」を紹介していきましょう。

なぜそんな姿に? 奇妙な裏ストーリーを持つミイラ10選

10. 司教の足裏に隠された「赤ちゃんミイラ」

1679年、ペダー・ウィンストラップという著名な司教が、スウェーデンのルンド大聖堂に埋葬されました。

彼の遺体は、17世紀で最も保存状態の良いミイラとして知られます。

しかし、真に驚くべきものが、彼の足元に隠されていました。

なんと足の下に赤児のミイラが見つかったのです。

実は当時、大人と赤ん坊を一緒に埋葬する習慣があり、赤児のミイラが見つかったこと自体はそれほどめずらしくありませんでした。

ただ、なぜこの赤ん坊が著名な司教と埋葬されたのかが疑問だったのです。

ところが、最近のDNA検査の結果、2人の遺伝子は25%も一致していることが判明しました。

家系記録から、ウィンストラップには甥や従兄弟、異母兄弟がいないことが分かっています。

息子がいるものの、彼に子どもがいたという記録はありませんでした。

それでも専門家は「赤ん坊が息子の子ども、つまりウィンストラップの孫であるという選択肢以外に考えられない」と見ています。

9. 150年近く閉じ込められたハチ

祭壇から見つかったハチのミイラ
祭壇から見つかったハチのミイラ / Credit: listverse

1875年、パナマ共和国にあるサンタ・マリア・ラ・アンティグア・バジリカ大聖堂が火災に見舞われました。

その修復作業として、聖堂内の祭壇が金箔で覆われたのですが、気づかないうちにハチの巣を封じ込めてしまったようなのです。

それから145年後の現代、別の修復チームが祭壇の金箔を剥がしたところ、ミイラ化したハチの巣が発見されたのです。

ハチの保存状態は驚くほど良く、昆虫学者にとっては貴重なサンプルとなりました。

すでにハチやハチの巣からは当時の花粉が採取され、現時点で48種類の植物が特定されています。

また興味深いことに、現在のパナマ市には自生していない植物の花粉まで見つかったそうです。

8. 2200年前に「座りすぎ」で亡くなった司祭

「アレックス」のミイラ
「アレックス」のミイラ / Credit: listverse

今から約2200年前、古代エジプトで一人の男性が亡くなり、ミイラとして埋葬されました。

男性のミイラは、「アレックス(Alex)」と名付けられています。

本名は残されていませんでしたが、棺に刻まれた記録のおかげで、彼が生前、司祭をしていたことが分かりました。

そしてイスラエル博物館で、アレックスをスキャンしたところ、驚くべき事実が明らかになっています。

彼は炭水化物の取りすぎと座りすぎ、それから日光にほとんど当たっていないことが原因で死亡していたのです。

座りすぎは21世紀の社会問題とされていますが、アレックスもどうやら屋内に閉じこもって、偏った食生活を送り、ろくに運動もしていなかったようです。

アレックスは心臓病と骨粗しょう症を患っており、身長は150センチまで縮んでいました。

死亡時の年齢は30代と見られ、身分の高い司祭としては早死にでした。

7. 棺に描かれた「少年の顔」を復元

3枚目の画像
Credit: listverse

紀元1〜3世紀の古代エジプトでは、ミイラを納めた棺に「故人の生前の顔を描く」という習慣がありました。

しかし、ミイラの顔はすでに痩せこけているため、それが正確な肖像画なのか、故人とは関係のない人物の肖像画なのか見当がつきませんでした。

ところが昨年9月、ドイツ・オーストリアの共同研究チームが、肖像画付きの棺に納められたミイラの顔復元に成功しました。

ミイラは3〜4歳の少年のもので、肺炎で亡くなったとされています。

復元作業では、ミイラの頭蓋骨をスキャンし、顔をデジタル上で再構築しました。

その結果、ミイラの顔と肖像画はおおむね一致していたのですが、ただ一点だけ、肖像画は実際より少し大人びて描かれていたのです。

故人を尊重して、少し美化して描いていたのかもしれません。

詳しくはこちら。

2000年前のミイラから死が迫った「少年の顔」を復元することに成功!やや年上に描かれていた

6. タカと思われたミイラの正体は「無脳症の胎児」

1925年に、イギリス・メードストン博物館に寄贈された小さなミイラの棺。

タカを模して彫刻されていることから、中には「タカのミイラ」が入っていると長らく考えられていました。

ところが、2016年に行われたCTスキャンにより、タカではなく「人の胎児」だったことが判明したのです。

しかも、胎児は奇病により生まれる前に死産しており、脳が形成されない無脳症を患っていました。

古代エジプトでは、胎児のミイラ化は珍しく、大半が家の床下にある壺に埋葬されます。

その社会背景を踏まえると、このミイラは異例であり、家族が胎児に特別な愛情を抱いていたことが伺えます。

詳しくはこちら。

タカだと思われていたが、実は「無脳症の胎児」だった2100年前のミイラ

5. 2600年間、正体不明だった女性ミイラ「Takabuti」

「Takabuti」のミイラ
「Takabuti」のミイラ / Credit: listverse

このミイラは、エジプトの古代都市テーベで見つかった「Takabuti」という名の女性ミイラです。

ナポレオン戦争後に起きたミイラの激しい取引に巻き込まれ、1834年にエジプトからアイルランドに持ち込まれました。

Takabutiは、アイルランドに渡った史上初のミイラとなっています。

しかし、その他の情報は出自から死因までほとんど謎に満ちていました。

ところが昨年になって、考古学研究チームが、棺に記されたヒエログリフを解読。

その結果、Takabutiは既婚女性で、死亡時の年齢は20代、テーベに居を構える大邸宅の女主人であったことが明らかになりました。

また、炭素年代測定により、死亡したのは紀元前660年頃と判明。

CTスキャンの結果、死因は鋭利な刃物による刺殺だったようです。

詳しくはこちら。

2600年間謎だった女性ミイラ「Takabuti」の死因が明らかに

4. 八つ裂きにされたファラオ

八つ裂きにされたファラオの頭蓋骨のCT画像
八つ裂きにされたファラオの頭蓋骨のCT画像 / Credit: listverse

1886年に、古代エジプトのファラオ、セケンエンラー(BC1558〜1553年頃)のミイラが発見されました。

頭部は胴体から切り離され、全身の骨はバラバラで、いたるところに切り傷や貫通した刺し傷が見つかっています。

CTスキャンでは、頭蓋底に脳幹に達したと見られる刺し傷も発見され、これが致命傷になったようです。

しかし、エジプト社会の頂点に君臨するはずのファラオが、なぜこれほどの傷を負ったのでしょうか?

実は、セケンエンラーが統治していたエジプト第17王朝(BC1580〜1550年頃)は、中東のレヴァントから侵入してきたヒクソス人に征服され、彼らが建てた第15王朝に支配されていました。

のちに17王朝が反乱を起こし、セケンエンラー自らも戦場に出陣したようです。

ミイラの傷が何よりの証拠でしょう。

専門家は「戦闘に参加したものの、捕らわれの身となって、最期は四方八方から八つ裂きにされたのではないか」と考えています。

セケンエンラーはかなり好戦的で勇敢な王だったのかもしれません。

詳しくはこちら。

3500年前のファラオの壮絶な死因が明らかに 戦闘で「八つ裂き」にされた勇敢な王

3. 銃弾で撃ち抜かれた絶滅鳥

絶滅鳥・ドードーの頭部ミイラ
絶滅鳥・ドードーの頭部ミイラ / Credit: listverse

こちらは、イギリスのオックスフォード大学自然史博物館に保管されている絶滅鳥「ドードー」の頭部ミイラです。

これまでに発見されたドードーのミイラの中で唯一、軟組織が完全に保存されたものとなっています。

また驚くべきことに、ミイラをスキャンしたところ、頭蓋骨の中に鉛の銃弾が発見されたのです。

記録によると、このドードーは1600年代に、生息地のモーリシャス島(マダガスカル沖)で猟師に頭を撃ち抜かれたとされています。

ドードーは、人による乱獲が原因で絶滅に追い込まれました。

しかし奇妙なのは、マダガスカルからイギリスまでの長旅でなぜ頭部が腐らなかったのか、ということです。

クーラーボックスの中に入れていたのか、それとも特殊なミイラ化の技術を使ったのか。

今もって分かっておらず、奇妙なミイラの代表となっています。

2. 世界初の「妊婦のミイラ」

妊娠したミイラ(上)と棺(下)
妊娠したミイラ(上)と棺(下) / Credit: listverse

今年4月、世界で初となる「妊婦のミイラ」が発見されました。

このミイラは1800年代初めに、古代エジプトの都市テーベで発掘されたものです。

その後、1826年にポーランドの国立博物館に移送され、現在まで保管されていました。

興味深いのは、棺の碑文に「男性の司祭のミイラ」と記されていたこと。

研究チームもそれを前提として調査を始めたのですが、ミイラは男性どころか、妊娠した女性のものだったのです。

妊婦の年齢は20代で、すでに妊娠26〜30週目に入っていました。

ポーランド科学アカデミーの研究員は「妊婦のミイラは、私たちの知りうる限り、これが現存する唯一のもの」と話しています。

詳しくはこちら。

世界初、2000年前の「妊娠したミイラ」を発見! すでに妊娠30週目に入っていた

1. 棺の中身は「現代人」?

ミイラが入っていた棺
ミイラが入っていた棺 / Credit: listverse

2000年10月、パキスタン警察がミイラを違法に売ろうとした複数人のグループを摘発した事件が発生しました。

没収されたミイラは、同国南部のカラチ国立博物館に送られ、調査の結果、「紀元前600年頃に亡くなったペルシャ王女のもの」と発表されました。

ミイラは古代エジプトの様式で包まれ、金の木棺の中に納められています。

胸のプレートに刻まれた文字を解読したところ、この女性はアケメネス朝の王クセルクセス1世の娘、ロードゥグーネ(Rhodugune)と判明しました。

ところが、調査を進めるにつれ、奇妙な点が次々と浮かんできたのです。

・プレートの銘文のペルシャ語が文法的に間違っていること

・ロードゥグーネ(Rhodugune)はギリシャ語表記であり、ペルシャ語ではワルデガウナ(Wardegauna)であること

・炭素年代測定により、木棺はわずか250年前のものであったこと

そして、きわめつけは、ミイラの死亡年代が1996年頃と推定されたことです。

鑑定チームによると、女性の年齢は21〜25歳で、鈍器による頸部への打撃で死亡。死後に歯がすべて抜かれ、全身の骨も砕かれて、ミイラに偽装されたと結論されています。

古代の王女とされたミイラが一転して、現代の殺人事件の被害者となったのです。

女性の遺体は身元不明のまま、2008年に正式に埋葬されました。

この出来事はペルシャ・プリンセスの怪事件」として、世界中の考古学者の知るところとなっています。

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