コンクリート建材が電池になる
コンクリート建材が電池になる / Credit:Depositphotos
chemistry

建物が巨大な電池に。未来のコンクリートは電気を貯めることができる

2021.05.21 Friday

Novel concrete battery could let buildings store their own energy https://newatlas.com/energy/novel-concrete-battery-buildings-energy-storage/
Rechargeable Concrete Battery https://www.mdpi.com/2075-5309/11/3/103

コンクリートは建材として広く利用されていますが、他の用途にも使えるかもしれません。

スウェーデン・チャルマース工科大学建築土木工学科に所属するエマ・チャン氏ら研究チームは、充電できるコンクリートバッテリーを開発しました。

この新しいコンクリートを使用するなら、建物全体にエネルギーを蓄えられるのです。

研究の詳細は、3月9日付けの学術誌『the journal Buildings』に掲載されました。

鉄筋コンクリートの素材を変えて電池にする

コンクリートを用いて建造物を建てる場合、一般的にはコンクリート(セメント+骨材)に鉄筋をプラスします。

この目的は、コンクリートの「ひっぱりに弱く圧縮に強い」性質と、鉄筋の「ひっぱりに強く圧縮に弱い」性質を組み合わせることにあります。

鉄筋コンクリートにすることで、互いの弱点を補い合い、強い構造物が作られるのです。

コンクリートバッテリーの仕組み
コンクリートバッテリーの仕組み / Credit:Yen Strandqvist, Chalmers University of Technology

新しいコンクリートは、従来の鉄筋コンクリートと同じ構造ですが素材を変化させており、それぞれが電池に必要な正極、負極の役割を担うようになっています。

まず、鉄筋の代わりに「対になる炭素繊維の格子」を使用。

片方の炭素繊維格子は鉄でコーティングされており、負極として機能します。

もう片方の炭素繊維格子はニッケルでコーティングされており、正極として機能します。

次に、通常のコンクリートの代わりに導電性セメントを用いたコンクリートを使用。これでコーティングされた格子を包みます。

最後に正極と負極の2つの層で電解質を挟みます。これにより構造物全体が電池として働き、充電と放電が可能になるのです。

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