鉄筋コンクリートの素材を変えて電池にする
コンクリートを用いて建造物を建てる場合、一般的にはコンクリート(セメント+骨材)に鉄筋をプラスします。
この目的は、コンクリートの「ひっぱりに弱く圧縮に強い」性質と、鉄筋の「ひっぱりに強く圧縮に弱い」性質を組み合わせることにあります。
鉄筋コンクリートにすることで、互いの弱点を補い合い、強い構造物が作られるのです。
新しいコンクリートは、従来の鉄筋コンクリートと同じ構造ですが素材を変化させており、それぞれが電池に必要な正極、負極の役割を担うようになっています。
まず、鉄筋の代わりに「対になる炭素繊維の格子」を使用。
片方の炭素繊維格子は鉄でコーティングされており、負極として機能します。
もう片方の炭素繊維格子はニッケルでコーティングされており、正極として機能します。
次に、通常のコンクリートの代わりに導電性セメントを用いたコンクリートを使用。これでコーティングされた格子を包みます。
最後に正極と負極の2つの層で電解質を挟みます。これにより構造物全体が電池として働き、充電と放電が可能になるのです。