バラバラだった細胞たちが勝手に集まって心臓を形成! 心臓オルガノイドの自己組織化に初成功 鼓動し自己修復も可能
バラバラだった細胞たちが勝手に集まって心臓を形成! 心臓オルガノイドの自己組織化に初成功 鼓動し自己修復も可能 / Credit:Pablo Hofbauer et al (2021) . Cell
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バラバラの細胞を集め「自動的に心臓を作る」ことに成功。拍動し自己修復もできる (3/4)

2021.05.21 Friday

前ページ6種類の分子スイッチが連鎖反応を引き起こす

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凍った針で心筋を壊死させ遺伝的操作により心臓病を再現する

自己組織化された心臓オルガノイドは多少の傷は修復しようとする
自己組織化された心臓オルガノイドは多少の傷は修復しようとする / Credit:Pablo Hofbauer et al (2021) . Cell

完成したヒト心臓オルガノイドに対して研究者たちはまず、心筋梗塞を再現するために、凍った鋼の針を押し当て、細胞を壊死させる実験を行いました。

すると傷口に治癒細胞が集まってきて、損傷を修復するためのタンパク質を生産していることが確認されました。

このような再生は3Dプリントで作った心臓ではみられなかったものです。

次に研究者たちは心臓オルガノイドが形成される前に、先天的心臓病にかかわるシグナルと転写因子を破壊してみました。

すると、心臓オルガノイドは先天的心臓病である「左心低形成症候群」で観察されるような、劇的な内部空洞の狭まりを発症しました。

この結果は、自己組織化された心臓オルガノイドが遺伝病などの再現が可能であり、人体実験の代替として有用であることを示します。

次ページ完璧な心臓オルガノイドは移植源になる?

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