水とは性質の異なる「重水」に浸す
重水(D2O)は水(H2O)と同じように水素と酸素からできていますが、水素の原子核に若干の違いがあります。
普通の水素が陽子1個なのに対し、重水素(Dまたは2H)の原子核には中性子が1個多く含まれているのです。
そのため重水素は普通の水素より重く、重水と水では性質も異なっています。
例えば、重水には「水より中性子を吸収しにくい」という性質があり、核燃料の有効活用に役立ちます。
そのため原子力発電に利用されてきました。
また最近では「重水が人間にとって甘い」ことも研究で示されています。
そして今回チームが着目したのは、「重水が細胞に与える影響」です。
新しい研究では、重水に細胞を浸けるだけで、細胞の時間を大幅に遅らせることができました。
重水の中では、細胞活動がスローモーションになっていたのです。