ツマジロスカシマダラ(学名:Greta oto)
ツマジロスカシマダラ(学名:Greta oto) / Credit:Depositphotos
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「透明な羽をもつチョウチョ」ガラスのような羽の作り方が明らかに

2021.06.13 Sunday

私たちは透明な生物をいくつか知っています。

しかし、そのほとんどは水生生物であり、地上で透明な動物を見かけることは稀です。

当然、透明な動物の研究はあまり進んでいません。

そこでアメリカ・ウッズホール海洋生物学研究所(MBL)に所属するアーロン・ポメランツ氏ら研究チームは、「ツマジロスカシマダラ(学名:Greta oto)」がどのように透明な羽を発達させるのか調査しました。

論文によると、透明な羽には少なくとも3つの光反射防止システムが内蔵されているとのこと。

研究の詳細は、5月28日付の科学誌『Journal of Experimental Biology』に掲載されています。

How butterflies make transparent wings: MBL scientists see the invisible https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/mbl-hbm061021.php
Developmental, cellular and biochemical basis of transparency in clearwing butterflies https://journals.biologists.com/jeb/article/224/10/jeb237917/268372/Developmental-cellular-and-biochemical-basis-of

透明な羽をもつ蝶「ツマジロスカシマダラ」

透明な羽をもつツマジロスカシマダラ
透明な羽をもつツマジロスカシマダラ / Credit:Depositphotos

ツマジロスカシマダラは中央アメリカに生息する蝶です。

一般的な蝶はカラフルな羽をもつことで知られていますが、ツマジロスカシマダラの場合は対照的な特性を備えています。

ガラスのように透明な羽」をもっているのです。

透明度はかなり高く、羽をのぞき込んでも背景をはっきりと視認できるでしょう。

これまで蝶のカラフルな羽については多くの研究が行われてきました。

例えば、鱗粉(羽を覆う微小で平たい細片)がさまざまな波長のを反射したり吸収したりしているため、羽はカラフルに見えます。

ところが透明な羽についてはほとんど研究されてきませんでした。

そこで研究チームは、ツマジロスカシマダラがどのように透明な羽を発達させているのか詳しく調べることにしました。

次ページ透明な蝶の鱗粉は毛のように細くて量が少ない

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