砂の地面を掘り進むヘビ型ロボットが開発された
砂の地面を掘り進むヘビ型ロボットが開発された / Credit:UC Santa Barbara,Subterranean Investigations(2021)
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地中に潜って移動できる「ヘビ型ロボット」が登場

2021.06.18 Friday

Subterranean Investigations Researchers explore the shallow underground world with a burrowing soft robot(UC Santa Barbara) https://www.news.ucsb.edu/2021/020333/subterranean-investigations
Controlling subterranean forces enables a fast, steerable, burrowing soft robot https://robotics.sciencemag.org/content/6/55/eabe2922

今やロボットは空を飛び、海を潜り、陸地のさまざまな場所を移動して活躍しています。

しかし、地中を進むロボットというのはまだありません。

カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UC Santa Barbara)とジョージア工科大学(GT)の研究チームは、地中を高速で正確に掘り進み、最小限の掘削で移動できるヘビ型ロボットを開発したと報告しています。

このタイプのロボットはパイプラインの設置などで活躍できる可能性があります。

研究の詳細は、6月19日付で科学雑誌『Science Robotics』に掲載されています。

地中を潜航する生き物たち

今回、開発されたロボットは、地中を掘り進んで移動します。

これまでそうしたタイプのロボットはありませんでした。

ゲームなどでは、地中を潜って移動するロボットが登場しますが、現実にそうした移動が難しいのはなぜでしょう?

研究の主執筆者であるカリフォルニア大学のニコラス・ナクレリオ(Nicholas Naclerio)氏は、「地中を進むロボットを作ろうたした場合の最大の課題は、単純にかかってくる力だ」と話します。

「地中を移動しようとすると、土や砂などの媒体を押し出さなければなりません」

この課題をクリアするために参考となりそうなのが、自然界で実際に地中に潜ることのできる生物たちです。

土や砂は粒状の媒体です。地中に潜る生物たちは、これをうまく押しのけて地面を進みます。

このメカニズムを理解することは、生物学の研究であると同時に、新しいロボット技術につながるのです。

たとえば植物の根が地面に伸びていく方法は、先端だけが成長し他の部分は静止している点に秘密があります。

根が地中を伸びる様子
根が地中を伸びる様子 / Credit:Temponaut Timelapse,Root Growth Timelapse | Soil Cross Section(2018)

先端だけが伸びることで、地中での抵抗を低く抑え掘削する場所だけに集中することができるのです。

もし体全体が成長に伴い動いてしまうと、表面全体に砂の摩擦が大きくかかることになり動けなくなってしまいます。

穴を掘る動物では、粒子を一時的に液体のような状態に浮遊させて、砂やゆるい土の抵抗を克服する「粒状流動化」という方法を利用しています。

これはたとえば、サザンサンド・オクトパスは地面に水を噴出して一時的に緩んだ砂の中に腕を使って潜り込みます

サザンサンド・オクトパスが砂に潜る様子
サザンサンド・オクトパスが砂に潜る様子 / Credit:New Scientist,Octopus makes its own quicksand then vanishes inside(2015)

そして、今回開発されたロボットは、これらの原理を応用して、先端部に空気を送り込み先端部だけを伸ばしながら地中を移動するという方法を採用しました。

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