観察学習による脳の反応をニューロンレベルで解明することに成功

brain 2018/05/08
Credit:Ucco.y yOSHIDA
Point
・マサチューセッツ工科大学の研究チームは、観察学習を行っているときの脳内の反応を調査
・観察学習に関係する、脳の前帯状皮質と扁桃体基底外側部の間でつながっているニューロンを特定
・ニューロンレベルで観察学習の反応を解明したのは今回が初めて

 

マサチューセッツ工科大学の研究チームは、マウスが観察学習を行っている時にどのような脳の活動が行われているか実験を行いました。

実験では、合図とともに電気ショックを受けるマウスとそれを観察するマウスを用意して、観察したマウスの脳内の前帯状皮質(ACC)と扁桃体基底外側部(BLA)の動きを調べました。前帯状皮質は報酬予測や意思決定、共感や情動といった認知機能に関わっているとされ、扁桃体基底外側部は記憶や情動の機能についての役割を担っているといわれてます。

その結果、電気ショックを受けたマウスも観察したマウスも合図が起こるとショックを恐れ、合図とショックの関係性を学習していました。また、観察を行えば行うほどACCの動きが活発になることが判明しました。ACCは経験した情報をBLAに送り、その情報からBLAは合図とショックの関連付けを形成します。

Credit: Arenamontanus on VisualHunt.com / CC BY-NC

さらにその後に行った実験では、BLAのニューロンと直接つながるACCのニューロンを特定することに成功。その連結部分を、観察学習を行うマウスの脳内で妨害したところ、マウスは合図とショックの関連付けを行えなかったのか、合図が起こってもショックを恐れることはありませんでした。

イエール大学のスティーブ・チャング氏は、「これら2つの脳の領域が社会的、情動や意思決定のプロセスを行う場所というのは知られていたが、社会的学習についてその働きを神経回路レベルで解明したのは初めてである。これは、私たちがどのように他者を評価、学習しているかをニューロンの観点から示している」と述べています。

 

観察するときの脳のニューロンの働きを刺激することで、より効率的な観察学習が可能になるかもしれません。未来には見ただけで多くのことが学習できるような装置が開発されているかもしれないですね。

 

新しいスキルを2倍速く習得するコツは「わずかな変化をつける」

 

via: MIT News / translated & text by ヨッシー

 

関連記事

サル同士で脳がシンクロする現象、サルの「地位」が関係していた

学習スタイルによる学力差はないと判明。「読む派」「書く派」の呪いを解こう

SHARE

TAG

brainの関連記事

RELATED ARTICLE