しゃっくりを治すストロー「HiccAway」
しゃっくりを治すストロー「HiccAway」 / Credit:HiccAway
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「しゃっくり」を92%の確率で治すストローが開発される

2021.06.21 Monday

しゃっくりで困っている人は、とりあえず「息を止める」「コップの奥側から水を飲む」などの方法を試すかもしれません。

しかし、これら民間療法の効果を実感したことのある人は多くないでしょう。

そこで、アメリカ・テキサス大学サンアントニオ校健康科学センター(University of Texas Health Science Center at San Antonio)脳神経外科に所属するアリ・セイフィ氏ら研究チームは、しゃっくりを治すストロー型デバイス「HiccAway」を開発しました。

彼らの報告によると、この特殊なストローは92%の成功率でしゃっくりを治療できたとのこと。

研究の詳細は、6月18日付の学術誌『JAMA Network Open』に掲載されました。

Weird gadget may cure hiccups, early study suggests https://www.livescience.com/new-device-treats-hiccups.html
Evaluation of the Forced Inspiratory Suction and Swallow Tool to Stop Hiccups https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2781196

特殊なストローで水を強く吸うとしゃっくりが治る

しゃっくりは、一般的に横隔膜の痙攣によって生じると考えられています。

痙攣の原因として有力なのは、「飲み込む動作や呼吸を調整する横隔神経迷走神経が刺激されて起こる」という説です。

インターネットを調べると出てくる「コップの奥側から水を飲む」「スプーン一杯の砂糖を食べる」などの治療法も、実は2つの神経を刺激・リセットさせるためのものです。

とはいえ、これら民間療法が効果的だと実証した研究はほとんどありません。

実際、2015年の研究論文の中では、「しゃっくりの民間療法を強く推奨するための十分な証拠はない」と述べられています。

水を吸うだけでしゃっくりが治る
水を吸うだけでしゃっくりが治る / Credit:HiccAway Information(Youtube)_How to Use HiccAway | HiccAway Tutorial(2021)

そのためセイフィ氏は、何年もの間、横隔神経と迷走神経を同時に刺激するシンプルな方法を探していました。

そして今回開発されたのが、ストロー型のしゃっくり治療デバイス「HiccAway」です。

使用方法は簡単であり、水を注いだコップの中にストローを入れ、力強く吸って水を飲むだけです。

セイフィ氏によると、「ストローを使って水を1、2口飲むだけで即座にしゃっくりが止まる」とのこと。

HiccAwayの先端には圧力バルブがついている
HiccAwayの先端には圧力バルブがついている / Credit: Ali Seifi(University of Texas Health Science Center at San Antonio)_Evaluation of the Forced Inspiratory Suction and Swallow Tool to Stop Hiccups(2021)

HiccAwayの先端には圧力バルブがあり、通常のストローよりも強く吸わなければいけません。

その圧力により、横隔膜が収縮。喉頭蓋(こうとうがい)の開閉につながります。

横隔神経と迷走神経が刺激されるので、はしゃっくりを止めるためのリセット指示を出すと考えられています。

次ページ92%の成功率でしゃっくりを治療

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