超新星爆発の爆風と破片が周辺のガスと衝突している様子
超新星爆発の爆風と破片が周辺のガスと衝突している様子 / Credit:NASA/SAO/NCSU/Borkowski et al.,MSH 15-52: Cosmic Hand Hitting a Wall(2021)
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超新星爆発で生まれた「神の手」から爆風の速度が明らかに

2021.07.01 Thursday

2021.06.28 Monday

MSH 15-52: Cosmic Hand Hitting a Wall(NASA) https://www.nasa.gov/mission_pages/chandra/news/msh-15-52-cosmic-hand-hitting-a-wall.html
Fast Blast Wave and Ejecta in the Young Core-collapse Supernova Remnant MSH 15-52/RCW 89 https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/ab91c0

まるで宇宙空間に伸ばされた手のような、特徴的な天体。

これは地球から約1万7千光年の距離にある「神の手」と呼ばれる超新星爆発で吹き飛ばされた残骸の放つ光です。

NASAのチャンドラX線天文台は、この「神の手」を14年間に渡って観測し、超新星爆発の衝撃波が宇宙空間をどのくらいの速度で移動しているかを特定しました。

それによると、爆発の衝撃は秒速1万3000kmに達していて、現在は星間ガスに衝突したことで秒速5000~1000kmまで減速しているとのこと。

飛んでもない速度で宇宙に広がる衝撃波。

この研究の詳細は、2020年6月1日に科学雑誌『The Astrophysical Journal Letters』に掲載されています。

宇宙に伸びる超新星残骸「神の手」

NASAのチャンドラX線天文台は、地球から約17,000光年離れた場所で、超新星の爆発とその余波によって生み出された、巨大な手の形をした超新星残骸を撮影した特
NASAのチャンドラX線天文台は、地球から約17,000光年離れた場所で、超新星の爆発とその余波によって生み出された、巨大な手の形をした超新星残骸を撮影した特 / Credit:NASA/SAO/NCSU/Borkowski et al.

星の最後、超新星爆発を見る機会はほとんどありませんが、チャンドラX線天文台はこの爆発によって吹き飛ばされた残骸が、宇宙に幽霊のような手を伸ばす姿を捉えました。

この手のような超新星残骸は「MSH15-52」と名付けられていて、地球から1万7000光年の位置にあります

特徴的な形から研究者たちからは「神の手」という愛称を与えられているそうです。

これは天の川銀河で発生した超新星残骸の中で、もっとも若いものの1つだと考えられており、地球にこの超新星の光が届いたのはほんの1700年前だったと推定されています。

1700年前というと、南米でマヤ王国が反映し、中国を普王朝が支配していた時代です。

宇宙にとっては、ほんのついさっきといえるほどの時間です。

この観測で特に注目すべきポイントは、その指先にあたる部分が星間ガスの壁と衝突しているのが見えるところです。

このガスとの衝突によって、超新星残骸がどのくらいの速度で宇宙を移動しているのかが測定できるのです。

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