黄鉄鉱
黄鉄鉱 / Credit:Depositphotos
geoscience

「愚者の金」と呼ばれた黄鉄鉱、実は金が含まれていると判明

2021.07.01 Thursday

鉄と硫黄からなる黄鉄鉱は、その見た目から金と間違えられます。

そのため「愚者の金」とも呼ばれてきました。

オーストラリア・カーティン大学(Curtin University)地球惑星科学部に所属するデニス・フージャラス氏ら研究チームは、黄鉄鉱の中に微量の金が閉じ込められていたと発表しました。

愚者の金は、そこまで愚かではなかったのです。

研究の詳細は、6月24日付の学術誌『Geology』に掲載されました。

Research finds ‘fool’s gold’ not so foolish after all https://phys.org/news/2021-06-gold-foolish.html
A new kind of invisible gold in pyrite hosted in deformation-related dislocations https://pubs.geoscienceworld.org/gsa/geology/article/doi/10.1130/G49028.1/604581/A-new-kind-of-invisible-gold-in-pyrite-hosted-in

愚者の金には本物が含まれている

発掘された金鉱石には金や石、その他の金属が一緒になって含まれています。

そして溶鉱炉や水銀を使うことで、人は金だけを取り出してきました。

今回、研究対象となったのは黄金に似ている黄鉄鉱です。

フージャラス氏によると、「これまでにも黄鉄鉱の中から金を見つけることはあった」とのこと。

ただし、それらは黄鉄鉱と金が合金となっていたり、黄鉄鉱の中に粒子として金が含まれていたりするケースに限られています。

ところが最近、フージャラス氏ら研究チームは、黄鉄鉱に「格子欠陥」として金が存在していることを発見しました。

次ページ黄鉄鉱には原子レベルの「見えない金」が含まれていた

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