なぜ子どもは「鏡文字」を書くのか?
なぜ子どもは「鏡文字」を書くのか? / Credit: jp.depositphotos
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トイザらス(TOYSЯUS)の「R」が反転している理由とは?

2021.07.24 Saturday

Mirror Writing: Why Do Children Write Some Letters Backwards? https://www.scienceabc.com/eyeopeners/mirror-writing-why-do-children-write-some-letters-backwards.html
Similarities among the shapes of writing and their effects on learning(2011) https://www.jbe-platform.com/content/journals/10.1075/wll.14.1.03tre

アメリカ発のおもちゃ量販店「トイザらス」は、正式な英語表記が「TOYSЯUS」となっています。

この「R」が反転している理由をご存知でしょうか?

これは、アメリカの子どもたちが「R」をよく「Я」と間違って書くためです。

日本でも例外ではありません。たとえば、小さな子どもは「さ」を「ち」と書くことがあります。

なぜ、子どもたちは文字を反転して書くのでしょうか?

文字を反転して書く理由とは

こうした独特の書き方は、文字が映しになって見えることから「ミラーライティング(Mirror Writing)」と呼ばれます。

ミラーライティングは、なにも子どもだけに見られるものではありません。

これまでの研究では、大人でも利き手を変えて字を書くと、文字が反転しやすいことが分かっています。

とくに右利きの人が左手で書くとミラーライティングが起こりやすく、元から左利きの人は、右利きの人に比べて、鏡文字を書きやすいようです。

あのレオナルド・ダ・ヴィンチも左利きでしたが、残されたメモはほとんどが鏡文字となっています。

ただ彼の場合は、自分の研究を他人に詮索されないよう、あえてミラーライティングをしていたという説があります。

しかし、自然にミラーライティングをするのは、やはり子どもだけです。

ミラーライティングは、文字を覚え始めた4歳から7歳の間によく起こるとされます。

とくにミラーライティングを起こしやすい文字は、J、d、3、Sのような非対称のものです。

なぜでしょうか?

鏡文字は「左右の理解」があいまいなせい
鏡文字は「左右の理解」があいまいなせい / Credit: jp.depositphotos

2011年に発表された研究(John Benjamins e-Platform, 2011)で、子どもたちは、右向きの文字(D、Eなど)よりも、左向きの文字(J、d、3)をミラーライティングする傾向があると指摘されました。

そのことから、研究チームは「文字の向きがまだ覚えられていない段階で、すべての文字を右向きに変換してしまうことが原因ではないか」と考えています。

これはかなり理にかなっており、ローマ字で言うと、非対称の文字のほとんどが右向きになっているのです。

一方で、B・D・E・Rといった右向きの文字を反転して書くこともあります。

結局のところ、ミラーライティングの原因は、子どものたちのがまだ変化しやすい段階にあることに起因します。

たとえば、幼い子どもは、右脳と左脳の働きがはっきり分化されておらず、利き手もまだ完全には確立されていません。

それにより、右左の関係性の把握があいまいになるのです。

そのため、脳の変化や利き手が安定し始めると、ミラーライティングも自然となくなります。

大人が鏡文字を書くのも利き手を変えたり、反対方向から書くなど、結局は方向感覚の混乱によるのです。

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