時間結晶が子どものおもちゃから発見される

technology 2018/05/08

Point
・結晶生成キットによく含まれるリン酸モノアンモニウムが、時間結晶になっていることを偶然発見した
・今回の発見で、原子時計やGPSなどの技術への応用が期待される

 

イエール大学の研究チームは、子どものおもちゃとして販売されている結晶生成キットに含まれるリン酸モノアンモニウムが、時間結晶になっていることを発見しました。

Observation of Discrete-Time-Crystal Signatures in an Ordered Dipolar Many-Body System
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.120.180603

時間結晶とは、時間的に周期的な変化がある物質のこと。粒子の規則的配列が三次元空間だけでなく時間方向にも広がっている、という四次元の結晶構造を指します。長く存在が否定されてきましたが、2016年にメリーランド大学のクリス・モンロー教授らが、初めて時間結晶の作成に成功しました。

通常の結晶は、対称性が破れたものを意味します。対称性とは、簡単にいえばどこでも同じ状態であるということです。例えば、空間結晶というと、空間(場所)が変わることで物質の状態が変わるということになります。

今回話題になっている時間結晶は、時間が変わることで物質の状態が変化するということになります。これは、ある時刻では動いていたものが別の時間で止まる、または別の動きをするというもので、それが周期的に起こっています。

Credit:Yale University / 今回の発見を成し遂げた研究チームの写真

これまで、ハーバード大学では特殊なダイヤモンド結晶で、メリーランド大学ではイッテルビウム原子を用いることで、時間結晶を作製することに成功しています。

今回のイエール大学の発見は、学生が別の実験でたまたま使っていた結晶生成キットがきっかけ。キットを核磁気共鳴装置という解析装置を用いて観測することで、偶然発見に至りました

研究者のシアン・バレット氏は。「時間結晶は内部で乱れのある状態で形成されると考えられていたので、リン酸アンモニウム結晶の中で発見できたのは珍しいことだ」と述べています。

時間結晶は原子時計やそれを用いるGPSなどの技術がより向上すると言われており、今回の発見により実現可能性を帯びています。

 

via: Science Alert / translated & text by ヨッシー

 

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