ある酵素を取り除くとマウスが太らないと判明。人間でも可能?

biology 2018/05/12
Point
・脂肪組織にある酵素のNAMPTを取り除き、マウスの肥満を防ぐことに成功
・NAMPTが肥満に必須の酵素であり、それを実証したのは今回が初めて
・人への処置は安全性のために、行われる予定はない

 

コペンハーゲン大学は、脂肪を貯蔵する脂肪組織にある酵素を取り除くことで、マウスの肥満を完全に防ぐことに成功しました。

その酵素は「NAMPT」と呼ばれるもので、人の体内にも存在し、代謝機能を高めたり肝臓や骨格筋へ好影響を与えています。

NAMPT-mediated NAD+ biosynthesis is indispensable for adipose tissue plasticity and development of obesity
https://www.molmetab.com/article/S2212-8778(17)31077-3/abstract

これまでも、血中や胃腸の脂肪組織にある大量のNAMPTは、肥満に関係しているのではと考えられていました。今回の実験は、NAMPTが肥満に必須であり、脂肪組織のNAMPTの欠如で太らなくなることを初めて実証した形になります。

実験では、何も手を加えていない普通のマウスと、脂肪組織のNAMPTが欠けたマウスにそれぞれ高脂肪と低脂肪の食事を与える場合で、対照実験を実施。

その結果、低脂肪の食事を与えているときは2種類のマウスとも太ることはありませんでした。しかし、高脂肪の食事を与えると、普通のマウスは太ったにも関わらず、NAMPT欠陥のあるマウスは全く太ることはありませんでした。

また、NAMPT欠陥のあるマウスは、普通のマウスと比べて血糖コントロールを上手く行えていました。

Credit:Molecular Metabolism / 実験の経過を表した図

研究チームのガーハート・ハインズ氏は、「NAMPTは先祖にとっては必要な酵素だったかもしれないが、いつでも高脂肪の食事ができるような生活にある、今日の我々には厄介者だ」と述べています。

研究チームは、NAMPTを減少させると他の細胞に悪影響を及ぼすリスクが高いので、肥満の治療法としては考えていません。しかし今回の発見が肥満や病気の治療の研究につながる可能性は多いにあるrでしょう。

 

via: University of Copenhagen / translated & by ヨッシー

 

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