1つの製剤で2種類の検査が可能
1つの製剤で2種類の検査が可能 / Credit:(左)Depositphotos,(右)Depositphotos
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尿検査と画像から「がんの有無と位置まで」わかる薬品が開発される (2/2)

2021.07.19 Monday

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改良された製剤は画像検査も可能!がんの場所が明らかに!

研究チームが目指したのは、1つの製剤で「がんの有無」と「がんの場所」の両方を検知するというもの。

そのため従来の製剤を改良し、尿検査だけでなく、がんの場所を特定する画像検査にも反応するようにしました。

改良された製剤は尿検査だけでなく、PET検査でがんの場所を特定可能
改良された製剤は尿検査だけでなく、PET検査でがんの場所を特定可能 / Credit:Liangliang Hao(MIT)_A noninvasive test to detect cancer cells and pinpoint their location(2021)

まず、「PET検査(ポジトロン断層法)」でって見える「銅-64(64Cu)」を追加。

PET検査とは、細胞の活動状況を画像で判断できる検査であり、がん検査にも使用されます。

しかしこれだけでは、ただ体内に広がった銅-64が検出されたり、そのまま排出されたりするだけでしょう。

そのため銅-64には、がんに引き寄せられるペプチドがコーティングされました。

がんは自身の周囲を酸性にするため、その酸性環境に引き付けられるペプチドをコーティングに使ったのです。

これにより銅-64はがん周辺に蓄積。

PET検査をするなら、画像には腫瘍の場所がはっきりと光って見えるのです。

また研究チームによると、銅-64を用いたPET検査は、ブドウ糖を用いた従来のPET検査よりも鮮明で分かりやすい画像が得られるとのこと。

実際、マウスを用いたテストでも新しい製剤の効果が確認できました。

将来的にはヒトのがんも発見できるようになるかもしれません。

しかも製剤を1種類投与するだけなのでとても簡単です。

まず尿検査だけを行い、陽性だった場合には画像検査を追加すればよいのです。

研究チームは毎年の健康診断の一部になることも想定しているようです。

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