自然と人工物の混合「サイボーグ土壌」

開発されたサイボーグ土壌は、半分が本物の土、もう半分はマイクロチップで構成されています。
このチップは自然界の土壌の細孔構造を模して設計されているため、本物と同様に「微生物たちの都市」として働きます。
つまり本来の土壌では微生物が様々な場所に住み着いたり、橋のような移動経路を作って移動したりしていますが、サイボーグ土壌でも同様の活動が見られるのです。
しかも地中のミクロ世界では、私たちの住むマクロの世界とは物理法則の影響力が異なります。
例えば、ある場所に留まっていた細菌は水分子の働きで押されて移動させられることがあります。
また小さな気泡が、周囲の水の表面張力によって、微生物では乗り越えられない障壁となることもあります。
つまりサイボーグ土壌から得られる記録を解析することで、自然界特有の微生物活動を把握できるのです。
そして実際にチームは、サイボーグ土壌を自然の土と充分な期間馴染ませることで、マイクロチップにも「微生物によって作られる都市」を確認しました。