脳腫瘍を縮小させる磁気ヘルメット
脳腫瘍を縮小させる磁気ヘルメット / Credit:David S. Baskin(Houston Methodist Neurological Institute)_Case Report: End-Stage Recurrent Glioblastoma Treated With a New Noninvasive Non-Contact Oncomagnetic Device(2021)
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脳腫瘍を縮小させる磁気ヘルメットが開発される

2021.07.30 Friday

Prototype Magnetic Helmet Shrinks Aggressive Brain Cancer in World-First Case https://www.sciencealert.com/for-the-first-time-a-magnetic-helmet-shrunk-a-patient-s-deadly-brain-tumor
Case Report: End-Stage Recurrent Glioblastoma Treated With a New Noninvasive Non-Contact Oncomagnetic Device https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fonc.2021.708017/full

すべてのがんは厄介ですが、その中でも脳腫瘍の一種である「膠芽腫(こうがしゅ)」は進行が速く、ほとんどの場合致命的です。

しかし最近、アメリカ・ヒューストンメソジスト神経研究所(Houston Methodist Neurological Institute)に所属する脳神経外科医デビッド・バスキン氏ら研究チームが、膠芽腫を縮小させる世界初の磁気ヘルメットを開発しました。

まだプロトタイプですが、テストでは患者の膠芽腫を短期間で31%も縮小することに成功

研究の詳細は、7月22日付の学術誌『Frontiers in Oncology』に掲載されました。

致命的な脳腫瘍「膠芽腫(こうがしゅ)」

膠芽腫のMRI画像
膠芽腫のMRI画像 / Credit:Christaras A(wikipedia)_膠芽腫

膠芽腫とは、の神経細胞を支えるグリア細胞が腫瘍化したものであり、悪性脳腫瘍の中でも頻度が高いと言われています。

また治療が非常に難しく、手術によって摘出できますが、全摘は不可能です。

放射線療法や化学療法も併用されますが、それでも平均余命は数カ月~2年となっています。

実際、今回の研究に参加した53歳の膠芽腫患者の治療も順調ではありませんでした。

彼は2018年5月に「精神状態の変化」のために診断を受け、膠芽腫と判明。

その年の6月に膠芽腫を切除するための手術を受けましたが、その後腫瘍は元に戻ってしまいました。

積極的な治療を続けたにもかかわらず、増大し続けていたのです。

そこで彼は、開発された磁気ヘルメットの最初の被験者になることを決意しました。

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