新しい避妊法は抗体によって精子の動きを阻害する
新しい避妊法は抗体によって精子の動きを阻害する / Credit:canva
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抗体が精子を捕まえる、女性の負担が少ない新しい避妊薬

2021.08.17 Tuesday

An Antibody That Traps Sperm. Could This Be a New Non-Hormonal Contraceptive? https://www.sciencealert.com/an-antibody-that-traps-sperms-could-this-be-a-new-non-hormonal-contraceptive Creating a female birth control option using antibodies that trap sperm https://medicalxpress.com/news/2021-08-female-birth-option-antibodies-sperm.html
Engineering sperm-binding IgG antibodies for the development of an effective nonhormonal female contraception https://stm.sciencemag.org/content/13/606/eabd5219

現在世の中にある避妊方法は、主に2つの種類に分けられます。

1つはコンドームやIUD(子宮内避妊用具)などの精子を遮断する方法、もう1つはピルなどのホルモンベースの方法です。

しかし、コンドームの使用を除けば、体に負担をかけずに女性が選択できる避妊方法はまだありません。

そこで米国ノースカロライナ大学チャペルヒル校(UNC)の研究チームは、抗体を用いた新しい第3の避妊方法をテストしています。

この方法は、羊の膣を使ったテストにおいて、精子の99%以上の動きを阻害することに成功したといいます。

研究の詳細は、8月11日付で科学雑誌『Science Translational Medicine』に掲載されています。

負担の少ない避妊の選択肢が少ない

経口避妊薬には副作用のリスクもあり、気軽に利用できるとは言い難い
経口避妊薬には副作用のリスクもあり、気軽に利用できるとは言い難い / Credit:canva

妊娠は日常生活にも仕事にも大きく影響する、人生において重要なイベントです。

安定した社会生活を送るためにも、多くの人は、妊娠のタイミングや回数を適切にコントロールしたいと望んでいます。

しかし、現在もっとも信頼できる避妊法は、コンドームのような物理的な遮断法を除けば、ピルなどのホルモン避妊薬しかありません。

こうしたホルモン避妊薬は、一部の利用者には体重増加や性欲減退、片頭痛や気分の変化など、なんらかの副作用を起こしています。

IUD(子宮内避妊用具)なども、正しく使用すれば効果的な避妊法ですが、体内に器具を装着するため、女性の体への負担が大きいことは否めません。

男性側の避妊法が開発されれば、また話は変わるかもしれませんが、それがいつ実現されるかは不明です。

そのため、女性の体に負担をかけない信頼性の高い避妊方法が望まれているのです。

そこで今回の研究チームが着目したのが免疫機能の一部である抗体を利用した新しい避妊法です。

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