土星の曖昧なコアのイメージイラスト
土星の曖昧なコアのイメージイラスト / Credit: Caltech/R. Hurt (IPAC)
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土星のリングに浮かぶ波紋から土星の内部構造が明らかに

2021.08.17 Tuesday

Saturn Makes Waves in its Own Rings https://www.caltech.edu/about/news/saturn-makes-waves-in-its-own-rings
A diffuse core in Saturn revealed by ring seismology https://www.nature.com/articles/s41550-021-01448-3

木星や土星のようなガス惑星の内部はどうなっているのでしょうか?

これは誰もが思い浮かべる疑問だと思います。

カリフォルニア工科大学(caltech)の天文学者クリストファー・マンコビッチ(Christopher Mankovich)博士は、土星のコアが振動することで生まれる「重力の波紋」が、土星のリングを波立たせる現象を調査

ここから土星にははっきりした境界を持ったコアはなく、惑星半径の60%まで拡散した曖昧な状態になっていることを明らかにしました。

研究の詳細は、8月16日付で科学雑誌『Nature Astronomy 』に掲載されています。

土星の中はどうなっているのか?

ガス惑星に見える縞模様の表面はいわゆる雲で、その内部がどうなっているかは謎が多い
ガス惑星に見える縞模様の表面はいわゆる雲で、その内部がどうなっているかは謎が多い / Credit: NASA/JPL/Space Science Institute

土星木星は巨大ガス惑星に分類される惑星で、その表面は独特の縞模様で覆われています。

子供の頃、この不思議な表面をみて、この惑星は降りるとどうなっているんだろう? という疑問を抱いた人は多いのではないでしょうか。

ガス惑星はその名の通り、水素やヘリウムといった分厚いガスの層によって覆われています。

縞模様の表面は、いわば惑星を覆う雲であり地面ではありません。

しかし、そもそもこのガス惑星には地面と呼べるものがあるかどうかもはっきりしていません。

分厚い大気の層は、惑星の深部へ向かった場合、非常に高い大気圧としてのしかかってきます。

そのため、ガス惑星の内部では高い圧力から水素が液化し、さらに深部では水素が液体金属となって層を作っていると予想されています。

そして最終的には、惑星のコアに到達してしまうと考えられるのです。

コアを地面と呼んでいいのか、というと厳しい感じがしますね。

つまりガス惑星は明確な地面は持たない惑星なのです。

とはいえ、ガス惑星の中心を構成するコアは、ずっと岩石や氷の硬い塊だと考えられてきました

これまでのガス惑星内構造の予想。これは木星の内部構造。
これまでのガス惑星内構造の予想。これは木星の内部構造。 / Credit:国立科学博物館,木星に地面はないのですか?

これは木星に関する内部構造を予測したイラストですが、このように長い間、ガス惑星にはちゃんと固体のコアがあると信じられていたのです。

しかし、一部の研究者は土星の中心には、そんな明確な固体のコアがない可能性も指摘していました。

そして、今回の研究は、土星探査機カッシーニが13年にわたって集めたデータを使用し、土星には地面どころか明確な境界のあるコアさえないという最初の証拠を提示したのです。

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