ビールから数万の未知の分子が発見される
ビールから数万の未知の分子が発見される / Credit:Depositphotos
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ビールから「数万の未知の分子」が見つかる

2021.08.23 Monday

Scientists Detect Tens of Thousands of Different Molecules in Beer – 80% Not Yet Described in Chemical Databases https://scitechdaily.com/scientists-detect-tens-of-thousands-of-different-molecules-in-beer-80-not-yet-described-in-chemical-databases/
On the Trail of the German Purity Law: Distinguishing the Metabolic Signatures of Wheat, Corn and Rice in Beer https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fchem.2021.715372/full

ビールは昔から多くの人々に愛されてきました。

特にドイツはビールの本場として知られており、その愛情の深さはかなりのものです。

そして最近、ドイツ・ミュンヘン工科大学(TUM)に所属する分析化学者フィリップ・シュミット・コップリン氏ら研究チームは、467種類のビールを高度な質量分析技術により解析。

これにより発見された数万の分子は、化学データベースに記載されていない「未知の分子」でした。

研究の詳細は、7月20日付の科学誌『Frontiers in Chemistry』に掲載されています。

高度な質量分析技術により467種類のビールを分析

多種多様なビールを化学的に分析
多種多様なビールを化学的に分析 / Credit:Depositphotos

ビールの主な原料は、水、麦芽、ホップ、酵母の4つです。

しかし麦芽やホップ、酵母には数多くの種類が存在するため、その組み合わせによって生まれるビールの特徴は大きく異なります。

また風味や味わいを調整するための副原料(トウモロコシ、米、カラメルなど)が用いられることもあり、ビールの種類はさらに広がっていきます。

加えて発酵の仕方によっても種類が枝分かれするため、ビールの世界は本当に奥深いものだと言えるでしょう。

そしてこれらのビールを化学的に分析すると、その複雑さが一層際立ちます。

実際、シュミット・コップリン氏は、「ビールは非常に複雑な化学物質の一例です」と述べました。

今回研究チームは、「直接注入フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(DI-FTICR MS)」と「超高性能液体クロマトグラフィー四重極飛行時間型質量分析(UPLC-ToF-MS)」という2つの強力な質量分析技術を利用してビールを化学的に分析しています。

これによってアメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、東アジアで醸造された467種類のビールを分子レベルで解明したのです。

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