原子レベルに薄い磁石でメモリを作る方法が発表される。大容量メモリへ期待

technology 2018/05/10
Credit: Tiancheng Song/U. Washington
Point
・強磁性体によって電気的な制御を行う方法が発見される
・用いた強磁性体は原子レベルに薄く、コンピュータメモリに応用の可能性がある
・大容量で小電力の次世代メモリとして期待されている

 

ワシントン大学らの研究チームは、電子スピンで原子レベルに薄い磁性体への電流を制御する方法を発表しました。この研究は3日、“Science”誌に掲載されています。

Giant tunneling magnetoresistance in spin-filter van der Waals heterostructures
http://science.sciencemag.org/content/early/2018/05/02/science.aar4851

提唱された方法は、磁気トンネル接合(MTJ)と同じ原理です。磁気トンネル接合とは、強磁性体に薄い絶縁膜を挟むことで強い電圧をかけたときにトンネル効果により電流が流れるものです。

Credit: Tiancheng Song/U. Washington / 三ヨウ化クロムの結晶構造。紫色の原子がクロム、黄色の原子がヨウ素、黒矢印が電子のスピンを表す

用いる材料は、原子レベルの薄さで強磁性体である三ヨウ化クロムの2次元結晶です。このシート2枚をグラフェンのシートの間に挟み、それぞれのシートの電子スピンの向きを同方向にしたり反対方向にしたりすることで、電流を制御できます。

研究チームのべヴィン・ハング氏は、「現在のコンピュータはデータを保存するのに電気のONとOFFの2つの状態しかないが、これが実現すれば4つにもそれ以上にもできる」と述べています。

装置は磁場の影響を受けにくい低温の環境下でしか動作せず、すぐに実用化するのは困難とのこと。しかしこの考え方は非常に革新的なものであり、これからさらなる研究が期待されます。

 

新時代来た。RAMとROMの両方の性質をもつ万能メモリが開発

 

via: Futurity / translated & text by ヨッシー

 

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