メガ盛り「キメラワクチン」が複数のコロナウイルスに有効と判明! 現代と未来のパンデミックを同時に予防可能
メガ盛り「キメラワクチン」が複数のコロナウイルスに有効と判明! 現代と未来のパンデミックを同時に予防可能 / Credit:Canva . ナゾロジー編集部
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複数のウイルスに効く「キメラワクチン」が新型コロナ変異株にも有効と明らかに

2021.09.01 Wednesday

THE DREAM VACCINE  Why stop at just SARS-CoV-2? Vaccines in development aim to protect against many coronaviruses at once https://www.science.org/news/2021/04/vaccines-can-protect-against-many-coronaviruses-could-prevent-another-pandemic
Chimeric spike mRNA vaccines protect against Sarbecovirus challenge in mice https://www.science.org/doi/full/10.1126/science.abi4506

強敵に出会うと強くなるのはウイルスや細菌だけではないようです。

8月27日にアメリカのノースカロライナ大学の研究者たちにより『Science』に掲載された論文によれば、複数のコロナウイルスのmRNAを1つに組み込んだ「キメラワクチン」が開発されたとのこと。

キメラワクチンを接種されたマウスは、新型コロナウイルスだけでなく、2003年に流行を起こした「SARS」やコウモリ、カメなどが媒介する複数のコロナウイルスに対して同時に免疫能力を獲得。

感染しても症状の重症化を防ぐ効果を発揮しました。

キメラワクチンは人類を脅かすコロナウイルスに対して、切り札になりえるのでしょうか?

※本記事で言及しているコロナウイルスは新型コロナウイルスを含む複数のコロナウイルスの総称です。

人類にとって次のパンデミックが分岐点になる

新型コロナウイルスを早急に封じ込めないと次のパンデミックを起こしたウイルスと融合する可能性がある
新型コロナウイルスを早急に封じ込めないと次のパンデミックを起こしたウイルスと融合する可能性がある / Credit:Canva . ナゾロジー編集部

コロナウイルスと人類の戦いはここ数年ではなく、実は20年以上も続いています。

2003年ごろに猛威をふるった「SARS(サーズ)」、2012年ごろから感染者が出始めた「MERS(マーズ)」、そして現在パンデミックを起こしている「新型コロナウイルス」。

これら3種は全て、同じコロナウイルスに属します。

この事実は、そう遠くない未来に、別のコロナウイルスによるパンデミックが起こることを予想させます。

もし現在のパンデミックが収まらないうちに、SARS(致死率10%以上)やMERS(致死率30%以上)を引き起こしたような、致死率が高いウイルスが、人間の体内で新型コロナウイルスと遺伝的に融合した場合、危険な結果になりかねません。

コロナウイルスを35年に渡り研究してきたノースカロライナ大学のラルフバリック氏も、コロナウイルスの融合が致命的な新種をうみだした場合「ハリウッドのホラー映画」のような状況が再現されかねないと述べています。

予想される最悪の状況を避けるには、新型コロナウイルスの封じ込めを行うと同時に、次のパンデミックに備えるワクチンを、あらかじめ準備しておく必要があります。

ですが既存の技術では、全てのコロナウイルス種に対抗するには、種ごとのワクチンショットを行う必要があります。

そこで今回、アメリカのノースカロライナ大学の研究者たちは、複数のコロナウイルスに対して有効な、新たなワクチンの開発を行いました。

研究者たちはいったいどんな方法で、1本のワクチンに複数の効果を持たせたのでしょうか?

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