安価でコンパクトな「タッチディスプレイ化」機器が開発される
安価でコンパクトな「タッチディスプレイ化」機器が開発される / Credit:向川 康博(NAIST)_Touch Sensing for a Projected Screen Using Slope Disparity Gating(2021)
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カメラ1つでプロジェクタ映像をタッチディスプレイにする技術が開発される

2021.09.09 Thursday

プロジェクタの投影画面を指先で操作できる タッチセンシング技術を開発 ~直接触れずに空中で指示する応用も実現可能~ どこでもタッチディスプレイ化に期待 http://www.naist.jp/pressrelease/2021/08/008181.html Turn Any Surface Into a Touchscreen A clever optical trick can help project interactive touchscreens onto any surface https://spectrum.ieee.org/any-surface-a-touchscreen
Touch Sensing for a Projected Screen Using Slope Disparity Gating https://ieeexplore.ieee.org/document/9495800

近年、研究者たちは「どこでもタッチディスプレイ化する技術」の開発に力を傾けてきました。

しかし従来の技術には、床や壁に映像を投影するプロジェクタだけでなく、指の動きを読み取るためのカメラやセンサーが複数必要でした。

そこで奈良先端科学技術大学院大学の光メディアインタフェース研究室に所属する向川 康博(むかいがわ やすひろ)氏ら研究チームは、より安価でシンプルな「タッチディスプレイ化」技術を開発しました。

新しい技術にはプロジェクタとカメラがそれぞれ1台だけしか利用されておらず、よりコンパクトで実用的です。

研究の詳細は、7月26日付の科学誌『IEEE ACCESS』に掲載されました。

従来の「どこでもタッチディスプレイ化」技術の課題

タッチディスプレイ化技術では、床や壁などさまざまな平面に映像を投影し、仮想的なディスプレイを作り出します。

そしてタッチを読み取るために「カメラで指の画像を検出する」という方法が取られています。

ところが従来のシステムでは、指と投影された映像が重なって、指をうまく検出できない場合がありました。

(a)プロジェクタ映像にリアルな手が含まれていたときのタッチ操作、(b)画像認識を使って手を検出した 結果、間違えて映像上の手を認識している
(a)プロジェクタ映像にリアルな手が含まれていたときのタッチ操作、(b)画像認識を使って手を検出した 結果、間違えて映像上の手を認識している / Credit:向川 康博(NAIST)_プロジェクタの投影画面を指先で操作できる タッチセンシング技術を開発 ~直接触れずに空中で指示する応用も実現可能~ どこでもタッチディスプレイ化に期待(2021)

例えば上の画像のように、プロジェクタ映像自体に手や指が含まれていると、タッチする現実の指以外も誤検出してしまいます

また1台のカメラだけでは、指でタッチしているのか、指が浮いた状態なのか、正確に判断するのは難しいです。

タッチしているのかどうかを 1 台のカメラから判定するのが難しい
タッチしているのかどうかを 1 台のカメラから判定するのが難しい / Credit:向川 康博(NAIST)_プロジェクタの投影画面を指先で操作できる タッチセンシング技術を開発 ~直接触れずに空中で指示する応用も実現可能~ どこでもタッチディスプレイ化に期待(2021)

そのため、これまでは複数のカメラを装着することで、タッチの検出精度を向上させていました。

つまり従来の「タッチディスプレイ化」技術は、誤検出しやすいだけでなく、複数の器材が必要な「高価で複雑なもの」だったのです。

そこで研究チームは、もっと安価でシンプルなタッチディスプレイ化技術を開発することにしました。

次ページ「指だけ」を撮影する新しいタッチディスプレイ化技術

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