カエルの泡が薬剤投与に役立つ
カエルの泡が薬剤投与に役立つ / Credit:Depositphotos
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一週間経っても壊れない交尾中のカエルが作る泡が薬剤の優れた媒体になる

2021.09.10 Friday

Frog Foam May Help Deliver Drugs to Human Skin https://www.smithsonianmag.com/science-nature/frog-foam-may-help-deliver-drugs-human-skin-180978557/
Frog nest foams exhibit pharmaceutical foam-like properties https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsos.210048

ビールやカプチーノなどの泡は脆く、すぐに崩れてなくなってしまいます。

ところが、ある種のカエルが産卵時に作る泡は、非常に頑丈で1週間以上崩れません。

イギリス・ストラスクライド大学(University of Strathclyde)の薬学・生物医学研究所に所属するサラ・ブロツィオ氏ら研究チームは、このカエルの泡が薬剤投与に役立つと発表しました。

耐久性の高いカエルの泡に注入された薬剤は1週間かけてゆっくりと放出されるため、放出期間の短い合成媒体を使って何度も投与する必要がなくなります。

研究の詳細は、9月8日付の科学誌『Royal Society Open Science』に掲載されました。

合成泡は脆い

合成泡を薬剤投与に利用できる時間は短い
合成泡を薬剤投与に利用できる時間は短い / Credit:Depositphotos

「泡が崩れやすい」という傾向は、洗顔フォームなどの合成された泡でも同じであり、その多くは数分~数時間で崩壊してしまいます

これまで科学者たちは、より耐久性のある合成泡を求めてきました。

なぜなら崩れない合成泡は、皮膚に塗った際に広範囲へ長く留まり、薬効成分を徐々に浸透させてくれるからです。

こうした耐久性のある泡の作用は、頻繁な薬や包帯の交換で雑菌が侵入する恐れの高い火傷の治療などで役立つ可能性があります

しかし既存の合成泡は脆く、薬剤を放出できるのは24時間だけです。

さらに患者の皮膚を刺激したりアレルギーを起こしたりするおそれもあります。

そのため薬剤として利用できるより良い媒体が求められてきました。

こうした背景にあって、研究チームはカエルの泡に新たな可能性を見出しました。

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